君と暮らし始めて一年以上……、次の夏が来ればもう二年になる。
ふと見れば、いつも君は笑顔を向けてくれた。
それなのに、おれは君に、新しい服のひとつも買ってやれないでいる……。
出会った頃に着ていたその服は、君にとても似合っているけれど、他の服だってきっと似合うだろう。
そう思って、あの夏の日、おれは買い物に出かけたんだ。
通りかかったお店のショーウインドウ、そこにあった白いワンピースはとても素敵だった。
君は、帰宅したおれを笑顔で迎えてくれたね。
そんな君の目の前で、おれが買い物袋から取り出したのは、パソコンの増設部品だった……。
お、おれは、あの白いワンピースのための金で、こともあろうにPCパーツを買ってしまったんだ。
い、いや、ほら、夏は暑いからね。近年猛暑が厳しいし、内部温度がね…、あうあう。
こ、これをね、取り付けるとエアフローがその、なんというか、涼しくなるんですよ?
うおー、彼女のための白ワンピはどうしたぁぁ、おれぇぇぇぇ。
後日。
自宅の軒先の木が花を咲かせた。
ほんの少し、花を摘む。
これくらいならいいよね。
枝ごと手折ったわけではないので、花瓶には差せない。
数時間後には枯れてしまうだろう。
少し考えて、こうすることにした。
うん、きれいだ。
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