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2016年03月18日09:13

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笑いと自然治癒力

笑いと自然治癒力について。

1.笑いが500分の1の奇蹟を生んだ
現在の医療では治る見込みが500分の1しかないと宣言された難病を、笑いで治した人があります。アメリカの有名な雑誌「サタディ・レビュウ」の元編集長のノーマン・カズンズ氏です。
 ノーマン・カズンズ氏は生涯原水爆禁止運動に献身、広島の原爆孤児の救援活動でよく知られている人です。
 1964年、49歳の時、ユネスコ代表団の一人としてソ連に親善旅行中に発病しました。 発熱、首、手、足などの激しい痛みで動かせない、からだじゅうに固いかたまりができ、さわると砂利のような固さでした。
診断の結果は膠原病のひとつ、強直性脊椎炎。数週間後には半身不随となり、血沈は1時間に115ミリにもなっていました。正常の血沈値は一時間に10ミリくらいですから、どんなに炎症が激しかったかがわかります。

そのとき彼は、「今まで自分の病気をすべて医者にまかせてきたが、これではいけない。自分で何とかしょう」と考えました。

彼にとって、取材で知り合ったシュバイツァー博士の「体内のあなたの受け持ち医をもっと働かせなさい」という言葉がヒントになりました。
「悪い感情が身体に悪いとしたら、逆に積極的な感情、例えば希望、自信、愛、笑いは細菌に対する抵抗力を高めるのではないか」と考えました。

そして病院で投与された薬をすべてやめて、もっと積極的に自分の気持ちを明るくする方法として大声で笑うことにしたのです。
同時に、弱った副腎を強くするためにビタミンCの大量療法も始めました。
彼は連日、コミックや大好きなユーモア全集を読み、チャップリンなどの喜劇映画やどっきりカメラのビデオを見て、10分間声を出して腹の底から大笑いしたところ、あれほど苦しかった痛みがやわらぎ、2時間ぐっすり眠ることができました。

10分間腹を抱えて笑うと、少なくとも2時間は痛みを感じないで眠ることができ、さらに驚いたことには、大笑いした後の血沈値がいつも5ミリくらい低下し、8日目には80ミリに下がったのです。
親指も動かせるようになり、首のまわりや手にできた砂利のようなコブも小さくなっていきました。
そして当初はほとんど助からないと言われていたカズンズ氏は、なんと2週間後は退院して歩けるようになり、数ヵ月後には、元の編集長の仕事に戻ることができたのです。

この闘病体験は世界的に権威のある臨床医学雑誌「ニューイングランド・ジャーナル」で発表されました。(日本では岩波書店より「笑いと治癒力」と題して出版されています)

カズンズ氏は言っています。
「私が治ったとき、多くの人は最初にこの病気が治らない病気だと聞かされたとき、どう思ったかを尋ねたが、私はこの言葉を信じなかったから、不安や恐怖も持たず、うつ状態にもならなかった。
 しかし、私が重病だということは知っていた。私はまったくからだを動かせないのだから。しかし、心の奥では、自分は必ず治るという気持がいつもあった」

 さらに氏は、
「人の心の力を過小評価してはいけない」
「また悪くなると言われても、からだがよくなろうとする再生力を疑ってはいけない」
「病気の85%までは自然治癒力で治るのに、自分で勝手に直らないと決めてしまうのがいちばん悪い」と述べています。

カズンズ氏の事例は多くの関心を集め、「病は気からおこり、気の持ち方で治したり、進行をとめたりする可能性」の研究が世界中で始まるきっかけとなりました。

1980年、65歳になってカズンズ氏は心筋梗塞になり、危篤状態でUCLAの治療室に入院しました。
病院側は、笑うことは心臓に負担をかけるからやめるようにいわれ、前回のことは稀にみる奇蹟だ、奇蹟が起こるはずはないとまで言われました。
しかしカズンズ氏は、再びプラス思考と笑い療法を行い、冠動脈のバイパス手術も受けずに心不全を克服して退院、二度目の「笑いの奇蹟」を証明しました。

今回の闘病記も「生への意欲」岩波書店より出ています。

2.笑いの健康効果
日本では「笑う門には福来る」、西洋では「笑いは副作用のない最良の薬」と言われるように、笑いが病気治療に役立つことや、健康によい影響を及ぼすことが、医療の現場でもかなり知られてきて、次のような調査をしています。

吉本新喜劇での実験
大阪ミナミの吉本興業の本拠地、「なんばグランド花月」で、笑いの免疫力への影響について実験が行われました。

(第一回目の実験)
ガンや心臓病の人を含む男女19人(20歳から62歳)から開演前後に採血し、3時間の笑いの効果を調べました。
●ガンに対する抵抗力のひとつとなるNK活性(がん細胞を攻撃するNK細胞の元気度)は、笑う前に数値が低すぎた人は、すべて正常範囲まで上昇し、高すぎた人のほとんどが正常に近い数値に戻りました。

●また免疫力のバランスを示すOKT4/8比もNK活性の場合と同様、好ましい方向に変化しました。

(第二回目の実験)
●がん治療中の患者20名が対象でした。すべてNK活性が好ましい方向に改善されました。興味深いのは、「花月」に入場するだけで、NK活性が上昇するということが分かりました。

●大笑いするということは心理的効果だけではなく、短時間に免疫系を正常化させる生理学的効果もあることが分かりました。注射で免疫力を活性化させるには、3日以上かかりますが、笑うことは即効性があるわけです。

1982年には、カズンズ氏の事例がきっかけとなり、米国で「笑い療法研究学会」が発足し、医学者、心理学者などを中心に研究されています。
「笑い療法研究学会」や他の研究によって、笑いの治療効果が次々と発表されています。
�.罅璽皀△箴个い鮗孫圓垢襪海箸如∀型優曄璽爐凌諭垢侶鮃�に、大きな進歩がみられた。                           

��大笑いには体操効果がある。
笑いは心拍数、血圧を上げて呼吸をさかんにし酸素消費量を増やす。
笑い終わって筋肉の緊張がとれると、心拍数、血圧ともに下降し、呼吸もゆっくりした深い呼吸となるので、血液中の酸素濃度も増加する。ちょうど適当な運動をしたのと同じ効果を生み、ストレスを大幅に減少させることができる。 また免疫系を活発にして、感染に対する抵抗力を増す。・…「笑い療法研究学会」、スタンフォード大学ウィリャム・フライ教授1966年

��笑いはストレスを解消し、免疫を高める。
健康な男性5人ずつ、二つのグループで実験。
Aグループにはユーモラスなビデオを1時間見せ、Bグループには見せないで、ストレスホルモンの変化を調べた。
するとAグループでは、ストレス状態を表わすコルチゾールとアドレナリンが減少した。また免疫を高めるリンパ球の産生が盛んになった。NK細胞の活性も上昇させることが判明した。               ロマリンダ大学バーク教授 1988年

�ぢ臂个い靴晋紊砲蓮�脳内でエンドルフィンが増加する。
エンドルフィンが増えるために、とてもいい気分になり、痛いところがあっても、いつの間にか痛まなくなったという報告もある。エンドルフィンはモルヒネに似た鎮痛作用を持ち、そのため内因性モルヒネと呼ばれている。     
�ケη召魍萓�化する。
笑いの中枢センターは右脳にあり、情緒と結びついているので、笑いは右脳によい刺激を与える運動と考えられる。                

�β単嫦罎量髪屮哀蹈屮螢鵤舛鯀�やす。
 大学生10名に、ユーモラスな映画とそうでない映画を30分ずつ見せて、その前後における唾液中の免疫グロブリンA(かぜを予防する効果がある物質)の量を測定したところ、ユーモラスな映画を見た後では大幅に増加した。面白くない映画の後では、変化がなかった。
また日頃からユーモアを活用している学生は、もともと免疫グロブリンAの値が高く、「笑いがからだに良い」と理解している学生は、そうでない学生に比べて増加率が大きかった。          


東北大学川島隆太教授は「笑いは人間だけができる。笑いも前頭葉から指令が出ているので、脳のために良い」と話されていました。(04年4月7日放送ためしってガッテン)

笑いについて、今まで何度か取り上げていますのでご参考下さい。
�仝亀つ命�No.73「笑いの健康効果」
浜松医科大学名誉教授高田明和先生、日本笑い学会副会長昇幹夫先生が解説 
�◆岼篥岨劵�ンの生き方」(筑波大学名誉教授村上和雄先生による笑いと糖尿病の関係)

�8亀つ命�No.77「自然治癒力」 東京女子医科大学横山泉教授による笑顔とNK活性の関係
3.笑いの効用9か条
日本経済新聞(04年4月4日)に“笑いが高める免疫力”という記事を要約します。
□ □
3.伊藤医院での笑いの実施
福岡市春日町の伊藤医院は診療室に笑いを持ち込んでいます。
伊藤実喜院長は「痛みが減った。予後がいいといった例を挙げるときりがない。笑いには自然治癒力があり、思い切り笑うとより効果的だ」と言い、次の笑いの効用9か条をあげられています。
笑いの効用9か条
・脳内ホルモン分泌で痛みなどを緩和
・内臓の消化機能が向上
・横隔膜や腹筋などを強め便秘を予防
・NK細胞が増えて免疫力が向上
・血液がサラサラして生活習慣病を予防
・アルファー波が増え全身が癒される
・頭がスッキリし忍耐力とやる気が出る
・若返りホルモンの分泌を促進
・自分が笑うと相手も笑顔

日本医科大学の吉野槙一教授の研究に落語家林家木久蔵さんも参加し、関節リウマチの患者に落語を披露。
落語の終了後、痛みの原因物質インターロイキン6の血液中の量が減少した。
宇治武田病院(京都府宇治市)の木俣肇アレルギー部長はアトピー性皮膚炎患者らに喜劇映画を見せ、スギ花粉などへのアレルギー反応を調べたところ、笑いによるとみられる抑制効果が確認できた。
研究結果は米医師会誌(JAMA)に掲載されるなど海外でも注目されました。
長年、精神医学の立場から笑いを研究する関西福祉大学の志水彰副学長は「現代人を悩ますストレスの対抗戦力として笑いは機能している」と解説し、1日1回でも周囲を気にせず笑えば、ストレス発散になると言われます。
そして記事は、「健康には、笑いのネタを見つけることも大切」と締めくくっていました。
4.NK活性と笑いについて
 平成5年の朝日新聞に「ガンに克つ生きがい療法の実践」という記事で、「笑顔とNK活性」について次のように述べています。
 岡山県倉敷市の柴田病院医師の伊丹仁朗さんは、この4月、笑顔と免疫の関係を実験しました。協力したのは岡山大学の学生6人(男女各3人)。
まず歯を見せない程度に笑顔を作ってもらう。(別に面白いことを考えなくても、ほほ笑む表情だけでいい。)
 時間は午前9時半から2時間。途中30分おきに5分間休憩するほか笑顔を続ける。
 実験の前後に18CCずつ血を採り、免疫機能=NK活性を調べた。
 その結果、NK活性が本来は低くなる時間帯なのに、4人は逆に高くなり、初めから高すぎた2人(BとD)は正常範囲に近づいた。(左図灰色の枠内が正常値)
 面白くなくても笑顔をつくるだけで、ガンに強くなることを示しています。
伊丹医師は2年前(平成3年)ガン闘病者20人と健康な人6人に漫才を3時間見てもらい、笑う直前、直後のNK活性の変化を調べた。
 その結果、活性が低すぎるか、正常範囲内の人の値は笑った後、全員がNK活性の数値が上がった。   免疫の調節機能を示す値も正常に近づいたということがわかりました。 
 2〜3時間の笑いや笑顔を作るだけでも、ガンをやっつける小さな細胞=NK細胞が元気になるのです。笑いが自然治癒力を高める即効性と威力には驚きます。
 生活の中で、何かと笑いのきっかけをつくったり、真似事でも声を出して笑ったり、笑顔を作ることは大切だと思います。

5.笑いで血糖値が大幅に低下
DNA博士として有名な筑波大学名誉教授村上和雄先生が「笑いで血糖値が低下した」ということを証明された有名な実験があります。以下は、村上先生の講和を元気通信「遺伝子オンの生き方」より抜粋しました。

そこで一大国民病である糖尿病の患者さんにご協力をいただいて、笑いによって血糖値が下がるかどうかという実験を行ったわけです。笑いが健康にいいというのはある程度知られています。しかしまだ笑いで病気を治すということまでは信用されていません。だから何とか科学のデータをとろうと思いました。
「笑いで、どの遺伝子のはたらきがアップしたか」ということ調べるために、DNAチップという掌に乗る大きさのガラス基盤の上に遺伝子を貼り付けて、漫才の間中、どの遺伝がどれだけ働いているかを測ったのです。
25人の糖尿病の患者さんに2日間全く同じ生活、同じ食事をさせ、1日目は糖尿病のメカニズムについて講義を聞いてもらい、食後2時間の血糖値を測ったら123も上がっていました。
翌日はその時間に、筑波の市民ホールで吉本興業のB&Bによる漫才を聞いてもらいました。いまどきの若手ではなく、ベテランにしてもらったのは、糖尿病の患者さんが平均年齢63歳で、B&Bの全盛期をよく知っているからです。
なにしろ世界ではじめての「心と遺伝子」の実験です。B&Bも気合が入っていました。テレビとは迫力が違う。千人入るホールが立ち見も出るほど満杯で、千人の人が一度のドッと笑うわけですから、漫才師もますます乗ってきます。それが又大きな笑いにつながり、本当によく笑いました。
そして血糖値を測ったら77しか上がらなかったのです。
退屈な講義・・・・・血糖値が123 上がった
漫才の場合・・・・・血糖値が 77 上がった
 漫才の場合は退屈な講義にくらべて、46も低かったのです。結果はアメリカの糖尿病学会誌の5月号(2〇〇3年)に掲載され、それをロイター通信が全世界に報じてくれました。
 笑いの刺激で、血糖値降下に関する遺伝子が働き、全身の変化=インシュリンの増加、血糖値を抑制する酵素やタンパク質の増加=があったのだと思われます。
 さらに、「とても面白かった」と応えた患者さんのほうが、「そこそこ面白かった」と答えた人よりも、血糖値が大きく下がっていたこともわかりました。

6.笑いは最良の薬
これまで医療の現場では、血糖値を下げるためにはインスリンを注射するか、食事制限や運動をするくらいしか治療の方法がなかったのです。それが笑っただけで血糖値が劇的に下がったのですから、糖尿病の専門医ですら、ビックリ仰天したのです。
糖尿病だけではないのです。笑いはどの病気にも効果があるのです。これはすごいことです。
今の医療は患者にとって心地よくありません。手術も注射もしたくないし、薬も副作用があるからできれば飲みたくない。しかし、笑いの効果が認められれば楽しい治療が始まります。薬の代わりにお笑いビデオが出されるかも知れない。ひょっとしたら医療革命が起こるかもしれないと注目されているんです。
西洋には「笑いは最良の薬」という諺がありますが、そのことが、今まさに実証されようとしているのです。



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