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2016年02月22日15:59

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井村和清さん・亡くなる前のメッセージ



昨日の日記「あたりまえ」の作者井村和清さんは、娘の飛鳥ちゃんと、そしてまだ見ぬ、お子様と愛する奥さんを残して先に逝くという事はさぞかしお辛かったかと思います。

井村さんが永眠される一ヶ月前、勤めている病院の朝礼に最後にのぞまれた時の挨拶に、次のようなことを言われています。

私の心には三つの悲しいことがあります。
一つめは、どうしても治らない患者さんに何もしてあげられない悲しさです。
二つめは、お金のない貧しい患者さんが、病気のことだけでなく、お金のことまでも心配しなければならないという悲しさです。
三つめは、病気をしている人の気持ちになって医療をしていたつもりでも、本当には病気をしている人の気持ちにはなれないという悲しさです。

ですから、私は皆さんに、患者さんに対してはできる限りの努力を一生懸命していただきたいのです。

井村さんは、闘病生活の中で、1歳6カ月の長女飛鳥ちゃんと、二人目の子供を身ごもった妻の倫子さんに、感謝の気持と、いつまでも一緒に生きて行きたいのに、それが出来ない悲しみや、子供たちへの想いを、手記に綴り始めました。


 「ふたりの子供たちへ」  

(*全文ではありません)

 心の優しい思いやりのある子に育ちますように。

 父親がいなくても、胸を張って生きなさい。私は最後まで負けない。お前達の誇りになれるよう、決して負けない。だからお前達も、これからどんな困難に遭うかもしれないが、負けないで耐え抜きなさい。

 星の王子様のサン・テグジュペリが書いている。
 大切な物はいつだって目に見えない。人はとにかく目に見えるものだけで判断しようとしているけど、目に見えているのは、いずれは消えてなくなる。いつまでも残るものは、目に見えないものだよ。人間は、死ねばそれで全てが無に帰する訳ではない。目には見えないが、私はいつまでも生きている。お前達と一緒に生きている。だから、私に逢いたくなる日がきたら、手を合わせなさい。そして心で私を見つめてごらん。

 お母さんを守ってあげなさい。二人の力で守ってあげれば、どんな苦労だって乗り越えられるよ。そしてもし、私が死んだ後、お母さんが淋しがっていたら、慰めてあげなさい。

 思いやりのある子とは、周りの人が悲しんでいたらともに悲しみ、喜んでいる人がいたらその人のために一緒に喜べる人だ。思いやりのある子は周りを幸せにする。周りの人を幸せにする人は、周りの人々によって、もっともっと幸せにされる、世界で一番幸せな人だ。だから、心の優しい、思いやりのある子に育って欲しい。それが私の祈りだ。

 さようなら。私はもう、いくらもおまえたちの傍にいてやれない。おまえたちが倒れても、手を貸してやることも出来ない。だから、倒れても倒れても自分の力で起き上がりなさい。

 さようなら。お前達がいつまでも、いつまでも幸せでありますように。 雪の降る夜に   ・・・・・・ 父より  
 
以上。

 父の子を思う心は海のように広くて暖かく、深い愛であふれているのでしょう。子どもが困難に出会ったときに、そばにいてあげられず、守ってあげられないのは父としてとても辛い事だと思います。しかし、この手記は、残された子供達に何よりの心の支えになると思います。





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