同じ一つの物事であっても、それに対して、いろいろな見方があり、さまざまな方面から考えることができるわけです。だから、一見してマイナスと思われるようなことでも、実際にはそれなりのプラスがあるというのが世の常ではないかと思います。いってみれば、雨が降れば着物が濡れて困ると見る見方もある半面、畑の作物を潤してくれると喜んで見る見方もあるわけです。
ところが、そのうちの一面のみを見てそれにとらわれてしまうと、いたずらに心を悩ませたり、極端な場合は絶望してみずからの命を絶つといったような不幸な姿にも陥りかねないわけです。
それではどうして、そういった一面のみにとらわれるような姿に陥るのかというと、それはやはり素直な心がないからではないかと思います。つまり、素直な心がない場合には、往々にして一つのことにとらわれてしまったり、自分の考えとか感情にとらわれてしまいます。だから、ついつい物事の一面だけしか目に入らず、他の面まで見る心の余裕もなければ、また視野というも自体がひらけなくなる場合が多いと思われます。
・・・・・「素直な心になるために」(PHP)より。
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