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2016年02月07日11:26

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サリバン先生とヘレン・ケラー



人の人生を見ると、生きながら天国を感じて生きる人と「地獄の苦しみ」をその顔に刻んで生きる人の二種類に大きく分かれます。
同じ大きさ、同じ重さの荷物も、ある人は軽がると担ぎ、ある人はあえぎながら引きり運びます。
なぜこうした違いがあるのでしょうか。

「奇跡の人」と賞賛されるヘレン・ケラーは、目が見え、音が聞こえ、口で話すことができる普通の人の私たちには、想像することもできない「三重の十字架」を背負いながら、その生涯を人間としての気品と尊厳、そして愛情を持って強く生き通した“希望の人”でした。

彼女の歩んだ人生は、その重荷の内容から見れば「神を呪う」こともできたのです。
しかし、ヘレンはその人生を「神に感謝」しています。

ヘレン・ケラーについて七田真監修「マーフィーに学ぶ幸せな成功者になる方法」(KKロングセラーズ)を参考にまとめました。

◆ 暗闇と無音の日々
ヘレンは1歳7ヶ月の時、原因不明の高熱に犯され、聾唖(ろうあ)で、しかも盲目という三重苦=暗黒と無音=の人生を背負いました。

へレンが7歳になった時、あの「運命の人」サリバン先生が家庭教師としてやってきたのです。

それまで、視力と音の世界を失ってから5年間、ヘレンは完全に人間の世界を失っていたのです。

しかし両親が彼女に見せる愛情は格別のものでした。ところが、その両親の愛を奪う存在が現れたのです。6つ違いの妹ミルドレッドの誕生です。

ヘレンはこの妹に猛烈に嫉妬します。
ある時、その妹がなんと自分がとても愛している人形(ナンシー)の住みかである揺りかごの中ですやすやと寝ていたのです。
怒り狂ったヘレンは揺りかごをひっくり返して、危うく妹は瀕死の傷を負うばかりでしたが、母が気づいて抱き上げたので無事でした。

その時の心境をヘレンは、「人は光も、音もない孤独の谷間を歩く時、あたたかい愛情を知りません。愛情とは愛に溢れる言葉や行為に接して、人と心が結ばれて初めて芽生えるものです」と言っています。

しかし、そんな妹でしたがサリバン先生の助けによって、ヘレンが人間性を取り戻してからは、妹のミルドレッドは「無二の心の友」となるのです。

◆ 暗闇と無音の世界とは
暗闇と無音の世界についてヘレンは言います。
「皆さんは濃い霧の海を航海したことがあるだろうか。まるで立ちはだかる白い闇のような霧。その中を大型船が、緊張と不安の中、水深を測る<測鉛>を頼りに手探りで岸に向かって進む。胸が高鳴り、何かが起こるのを待っている。サリバン先生の教育が始まる前はこの船のようだったのだ。
ただし、私には方位を知るコンパスも測鉛もない。港までどのくらい距離があるのか知るすべもなかった。
< 明かりを! 私に明かりを! > ・・・・・ 魂が、言葉にならない叫び声をあげていた。
まさにその時に、愛の光が私を照らしたのだった」

◆ サリバン先生との出会い
ヘレンの生涯にとって「アン・サリバン」という女性が、いかに大事でかけがえのない人物であったか、ヘレンは自叙伝にこう書いています。
「記憶にある限り、生涯で最も大切な日。それはアン・マンスフィールド・サリバン先生がやってきた日である。
この日を境にまったく違う人生が始まる。その前後のあまりにも対照的な人生を思うと、不思議な思いでいっぱいになる。

1887年3月3日、私の誕生日の3ヶ月前のことだ。運命の日の午後、私は玄関に立ち、静かに、しかし、心臓を躍らせながら待っていた」
ヘレンはそれまで「闇の中に生きていた」のですが、彼女の魂はサリバン先生との運命的な出会いを予感していたのです。

◆ ことばの神秘の開かれた時
「ことばには命が宿っている」。
人は「言葉を話すこと」で人となります。言葉や文字を知り、話ができる前のヘレンは、物理的な闇はもちろん「魂の闇」を歩んでいたのです。その苦悩が後に書いた文章の中ににじみ出ています。と同時に、言葉に触れ、存在するすべてのものには、そのものの固有の名前があり、それを言葉で捕まえることができることを知ったヘレンの喜びは、私たちには想像でしか知り得ません。



ヘレンが「水」をWaterと知ったあの有名なシーン。これは映画にもなったので知っている人もたくさんいるでしょう。
サリバン先生が、井戸でヘレンと激しくやり取りする場面は、多くの人の脳裏に焼きついていることでしょう。

「先生は私の片手をとり、水の噴出口の下においた。冷たい水がほとばしり、手に流れ落ちる。その間に、先生はもう片方の手に、最初はゆっくりと、それから素早くW-a-t-e-r
と綴りを書いた。
私はじっと立ち尽くし、その指の動きに全神経を傾けていた。

すると突然、まるで忘れていたことをぼんやり思いだしたかのような感覚に襲われた。感激にうち震えながら、頭の中がじょじょにはっきりしてくる。
言葉の神秘の扉が開かれたのである。この<生きていることば>のおかげで、私の魂は目覚め、光と希望と喜びを手にし、とうとう牢獄から開放されたのだ!」。

このことばを知り、文字の意味を知ってからのヘレンの人生は、まさに激変します。
しかし三重苦のハンディは軽減されることがありませんが、その重荷をヘレンは明確な人生への意思をともなって担ったのです。

それは「自分の十字架は、自分で背負いなさい」というイエスの言葉を、自らの魂で受け止めた人間のみができる雄雄しい姿でもあるのです。

◆愛という名の宗教
ヘレンはその後、ハーバード大学の女子部を優秀な成績で卒業します。そして、米国国内はもとより、全世界を回って不幸な人、ハンディを背負って苦しむ人を励ましてきました。

1968年6月1日、87歳で永眠しました。
ヘレンの遺骨はワシントン大聖堂に葬られましたが、そのメッセージはいまも生きて、私たちに呼びかけています。

「普遍的な宗教は一つしかありません。それは<愛という名の宗教>です。心と魂の奥から天なる父を愛しなさい。神のこどもすべてを全力で愛しなさい」


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