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2016年01月16日09:35

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葉室頼明氏「阪神大震災と春日神社」



西洋人の心・日本人の心
 日本人と西洋の人と根本的に考え方が違うのは、西洋人は唯物的というか理性的ですね。そういうものの考え方で発展してきた文明、文化だから、常に人間の理屈で全部考えてやってきた。
ところが日本人は、たぐいまれな民族で、直感で物事を感じてきた。どっちが優れている、劣っているというのではなくて、全く違うということです。
 例えばどういうところに神社を建てたかというと、西洋人なら理屈で、ここは神を祀って、神を崇めて、みんなを統制するのにいいところだ、そういう考えで決めると思うのです。日本人はそうではなくて、直感で、神聖な場所というか、霊的な場所を知る能力が非常に強かったと思うんですね。

阪神大震災と春日神社
 具体的に言うなら、神戸の大震災が起きたのは神戸の下の地層に断層が通っていて、そこで地震が起きて、ああいう大被害が起きたという。ではこれは科学とか、そういう理屈で考えるからそういった解釈になるんですね。
本当はそうではなくて、断層の上は地中から出る生命のすばらしい波動、エネルギーが地上に出ている場所なんです。神の波動が地上に出てくる最もいい場所です。そういうところを昔の人は知っていたから、そこの上に神社を建てたのです。
今でも調べてみると、断層の上に多くの神社が建っています。下から神の天然の波動を受けている。ですから、そこから出る水は昔から、ご神水だとか、霊水だとか、神さまの井戸とか呼ばれる最高の水でした。そういう波動を含んだ水だから、それを飲んだら奇跡が起きるということもあるわけです。昔の人は直感的に知っていたんですね。
 春日大社をなぜここにつくったか。もっと単純に、なぜここに神様を祀ったのかということです。ここは神戸からの断層の末端にあたります。ここはものすごくいい波動が下から出ている神域なんです。

ここ春日でも当然あのように地震が起きていいはずだったのだけれど、ここがなんともなかったというのは、ここは大自然がそのまま残っているから、ふさいでいなかったから、絶えず下からエネルギーが少しずつ放出されていたからだと私は思います。

火鉢がピョンピョン跳んだ
その証拠に、地震の2日前、1月15日に春日大社で舞楽奉納の祭りがありました。私と次の神職との間に、寒いから火鉢が置いてあった。そしたら、その火鉢がいきなりピョンピョン踊りだした。地震も何もないのに、どこも揺れていないのに、火鉢がピョンピョン動く。ほかの神職は宮司が貧乏ゆすりをしているのかと思った。僕も隣の神職が貧乏ゆすりをしているのかと思った。ピョンピョン跳んだんです。
 不思議なことがあるもんだ、と言っていたら、2日後に大震災が起きた。それは波動があそこに突き抜けていったんだと思う。エネルギーが、自然があるものだから、みんな下から抜けている。
ここには3000の灯籠があるんです。それが1台も倒れていない。普通だったら全部倒れるはずなのが、1つも倒れていない。
 奈良は春日大社のおかげで地震を免れたと僕は思っているんです。このような神聖な場所を昔の人は直感で知っていたのです。ふさがないように、そこに自然の森を残すために神様を祀ったんですね。すごい知恵です。
 そういう昔の人の直感力というか、日本人の感性はすごいと思います。世界にまれなる民族なんです。だからいまは日本人の直観力を世界に示さなければいけないと僕は言っているんです。もう理屈の世界は終わった。また昔に戻って、本当の姿を見出さなければいけないと思っています。

日本の治め方と外国の治め方
 古代、大和朝廷が日本を治めたやり方は世界にまれなる方法だったのです。外国の王朝は武力でもって国を征服します。そして宗教から文化まで全部滅ぼすわけです。それで自分の持っている宗教や文化を押しつけて、国を大きくして治めました。ところがそういう国は全部滅びているのです。その土地の文化、伝統、宗教を滅ぼしたものは、どんなに武力が強大になり、また経済力が発達しても、滅びてしまうのです。
ところが大和朝廷は、奈良なら奈良に都を置いて国を治めるのに、普通だったら他の部落を滅ぼして、大和朝廷の天皇の宗教を押しつけるはずです。ところがそれをやらないで、それぞれの氏族の神さまを全部朝廷に持ってきた。それぞれの神さまを天皇がお祀りしましょう、こうやったのです。だからみんな反抗しないで従ったんです。
自分が拝んでいたところの祖先の氏神さまを全部天皇が祀ってくださる。

日本人は決して単一民族ではない。いろいろな民族がいた。それぞれが祀っている神さまを全部天皇家におさめた。それで決して外国のように滅ぼさなかった。だから天皇家は続いているのです。
神さまは全部違う。そして神社も全部神さまが違う。それでもみんな統一されて調和しているでしよう。絶対、元の宗教を滅ぼしていない。これが本当のやり方です。

大自然の絶対の摂理も
これは生物の生きていく姿と同じです。生命は35億年前に地球上の水の中に誕生して、以来ずっと生き続けている。それは祖先の遺伝子、つまり祖先が持っていた伝統を、親から受け継いで子孫に伝える。この方法だけで、植物から虫から細菌まで全部生きている。だから伝統を伝えるということは大切です。伝えなくなったら死ぬんです。
地球は大宇宙のバランスによって生み出されましたが、水から生命が誕生したのもバランスであり、さらに地球上においてすべての動植物が共生することによって、バランスを保つ。そして、それぞれの生物が生きる。これが大自然の絶対の摂理です。
この考えを持って日本全国を統一したわけです。滅ぼさない。だから生命の続く原点を昔の人は知っていたのです。

式年造替の意味
 伊勢神宮と春日大社は20年ごとに1度、お社を新しくするでしょう。これもすごい知恵ですね。
 つまりこれは、われわれの体にたとえたら、新陳代謝です。ある期間を経て古い細胞が新しい細胞に変わっているわけです。それでわれわれは生きている。新陳代謝が終わったときに死ぬ。だからある期間で新しく生まれ変わる。これで生きているのです。
 それをやっているのが、伊勢神宮と春日大社なんです。新しい社に生まれ変わる。昔の人は、科学のない時代にこのことを知っていたわけです。春日大社には奈良の文化がそのままの姿で今も残っています。奈良のいのちがなぜ伝わったのか。生命の原理を実践しているから、それで伝わっているんです。

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