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2015年10月12日09:11

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言志録10「人は須らく自ら省察すべし」


【現代語訳】
人間は誰でも、次のことを反省し考察してみる必要がある。
「天はなぜ自分をこの世に生み出し、何の用をさせようとするのか。
 自分は天(神)の物であるから、必ず天職がある。
この天職を果たさなければ、天罰を必ず受ける」と。

【原文】
人は須らく自ら省察すべし。
「天 何の故にか我が身を生み出し、
我をして果たして何の用に供せしむる。
我 既に天の物なれば、必ず天の役有り。
天の役供せずんば、天咎必ず至らむ」。
省察して此に到れば、則ち我が身の苟(いやし)くも生くべからざるを知らむ。

(言志録10)



【解説1】
天命を知るということは大変難しいことである。
「自分が生きているのではない。生かされているのである」ということを悟ること、これがわかれば立派な人である。
加藤咄堂氏は古人の言として、「君子、一日生きれば一日世に利あり」の語を引いている。
また、吉田松陰は「一日世に在れば、一日為すあり」といった。
何のために生きるのかということは、「人さまのために尽くすためだ」ということの一語に尽きるだろう。
・・・・川上正光「言志四録」より。

【解説2】
人がこの世で生きるということは、「仕事」をもって社会と接し、生活を営むということである。「仕」も「事」も「つかえる」と読み、「天に仕える」ことを意味する。ゆえに自分に最も適した職業を天職という。福沢諭吉も「世の中でいちばん楽しく立派なことは一生を貫く仕事を持つことである」といっているように、天職を持ちえた人は幸福な人といえる。
では、その天命による「天職」とは何か。突き詰めれば、仕事を通して、自分だけ儲ければよいという私心を捨てて、世のため人のために尽くすということであろう。
『論語』は「命を知らざれば、以て君子たることなきなり」(いまだ何のために生れたかを知らない者は、一角の人物にはなりえない)といっている。
・・・・岬龍一郎「言志四録」より。

【解説3】
ここまで考えが明らかになると、いい加減に生きる訳に行かないことが分かってくるだろう。

坂村真民 「生きるのだ」  
いのちいっぱい
生きるのだ
念じ念じて
生きるのだ
一度しかない人生を
何か世のため人のため
自分にできることをして
この身を捧げ
生きるのだ 
・・・・「佐藤一斎・言志四録 紹介」より。
http://www.ac.auone-net.jp/~touri/genshi_shiroku/index.html

【解説4】
森信三先生は、人は皆「天からの封書」をもって生れて来る。ある年齢(少なくとも40歳)になったらその天からの封書を開けなければならない、と言われます。
「天からの封書」、つまり天命です。
自分はこの世の中にどんな貢献をするために生まれてきたのか?
その答えを見つけ、分に応じた役割を果たさなければなりません。
天命を果たさないのであれば、生きていく意味がないどころか、天罰を受けるのだ、と一斎先生は言います。
孔子先生は十有五にして学に志し、五十にして天命を知ったと言います。
小生ももうすぐ五十になります。
いまだ天からの封書を空けきれぬままに。
・・・・「一日一斎『言志四録』を味わう」
http://confucianism.blog.jp/archives/2015-02-22.html



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