これ、原作やった人いる? 何派? なんならアニメだけでもいいんだけど。
ちなみに、おれは冬馬派。
新宿のおんぶのシーン(未映像化)でやられた。弱みを見せられると放っておけない性格らしいw
実はこの作品、ものすごく長い。作品自体も、作品の中の時系列も。
序章=高校編、終章=大学編。そして、あるフラグが立つと最終章=社会人編へ進む。
長いスパンの中で、三角関係に葛藤する主人公(読者)への揺さぶりが、かなり激しい。
原作は、主人公の一人称視点で進む。
それはすなわち、主人公が目に出来ないものは、読者も知ることが出来ない、ということだ。
学校を休んだその日、彼女は何をしていたか。
主人公の後ろで、その背中をどんな表情で見つめていたのか。
主人公が居眠りしているとき、何を考えどんなことをしていたのか。
それを知っていれば、”その行動”の意味がまるで変わってしまうのに、
そういったことは主人公(読者)に一切知らされないまま、物語は進み、そして選ばされる。
選んでしまったそのあとで、知らされる。
時にヒロインの口から。
時に、クリア後に解放されるサブエピソードで読者にだけ明かされる。
そのたびに、三角関係の天秤がぐらぐらと傾く。
悪辣で、わかっていてもどうしようもない、シナリオライターの仕掛けた巧妙な罠。
心情が、片方に傾いてはもう一方に揺り戻され、主人公と共に翻弄される。
その葛藤と揺さぶりの果てにどちらを選ぶのか。
私は冬馬派だけど、ネットでは雪菜派を自称する人も見かける。
どちらが多いのか推し量れない程度には、支持が分かれている。それが素晴らしい。
アニメ版の話もしよう。
放送されたのは、2013年の秋から。
私が観たのは、つい先日。まる一年以上の間がある。
もちろん、知らなかったわけではない。
ただ、原作の熱を冷まさないと、素直に観る事ができないと思ったから。
原作から入ってしまっている以上、もはや初見の状態には戻れないが、少しでもフラットになりたかった。
いい出来栄えだった。
そりゃあ、尺の問題があるから、省かれているも部分あるけど。
媒体の違い、尺の問題を超えて、原作ファンにも愉しめる、喜べる、満足できるアニメになっていた。
そして、その「媒体の違い」を巧く逆手に取ってもいる。
原作は一人称だった。
アニメは第三者視点。主人公の背後にいるヒロインの表情も視聴者には見えるのだ。
正直、どちらがいいとも言えない。
どちらもアリで、どちらも正解だ。
でも、一方にないものが、もう一方にはある。お互いに。
その両方を、いい感じに味わえた私は幸運だった。
素晴らしい出来のアニメだが、映像化されたのは「序章」に過ぎない。
体感だが、物語全体のに占める割合は、2割程度でしかない。
なにもかも、これからなのだ。
「終章」以降が映像化されるかは、一期の売り上げ次第らしい。
しかし、ここに至っても制作発表がないところをみると……。
資金的な面を棚上げしても、「終章」の映像化は格段に難しい。
序章には登場しなかった、三人のサブヒロインが終章から登場する。
サブとはいえ、数合わせ、賑やかしの存在ではなく、魅せ場の最大風速はメインをも凌駕する。
いや、ホント、サブってレベルじゃないのよ?
彼女らのエピソードをどう扱うのか。
選択方式のノベルゲームと違い、アニメは観てるだけの一本道だ。
全てを中途半端に盛り込もうとするとグタグタになるし、バッサリ切り落とすのも惜しまれる。
シリーズ構成は頭を悩ませることになるだろう。
それと、この物語に「大団円」はない。
誰かを選べば、必ず誰かが泣くのだ。
物語の構造上の命題である。
誰もが笑える幸せな結末は存在しない。
それっぽい結末もあるにはあるが、あれを「大団円」と呼ぶのは冬馬派のおれが許さん。
そもそもなんで冬馬ルートでは(以下略
原作はプレイヤー次第だが、アニメの結末をどこに落とすのか。それも問題だ。
最後に、アニメ版を観て感じたことだけど……。雪菜の威力が上がってる気がするんだが?
絶対これ、雪菜にテコ入れしてるだろ、アニメスタッフw
ストーリーに変化はないけど、要所の魅せ方、台詞の端々、それから原作にはなかった一言。
だった一言なんだけど、それは致命的な一言で。
主人公には聴こえないけど、視聴者には聞こえる一言。
一人称視点のゲームから、第三者視点のアニメへ。
その媒体の違いを利用して、ここに至ってなお、揺さぶりの手を緩めないとは。
おれ、冬馬派なんだけど、正直ちょっと雪菜に引き戻されてるw
アニメ版のシリーズ構成・脚本は、丸戸史明。
原作のシナリオライターも、この人。
おれが優柔不断なのは、つまり全部こいつが悪いw
なにを選んでも、どう進んでも、胸が苦しくなるのを避けられない。
エンディングに辿り着いたときの、消耗感と喪失感。
そういう淵に観る者を叩き込んでくれる素晴らしい作品だった。
楽曲が素晴らしいとか、演出が巧妙であるとか。
そういうことも書きたかったけど、あまりに長くなりすぎた。
書き散らした割りに、云いたいことがどこまで伝わったやら。
自分の味わった感情の揺らぎをわかって欲しかったのか、この作品を知って欲しかったのか。
たぶん両方なんだけど、両立は難しいんだよね。
だからせめてネタバレは避けた。そしたら余計に難しくなったw
それと、こういう物語だから、女性の感想を聞いたことがない。
主人公の不断さは許せないかもしれないが、各ヒロインの持つ生々しい部分をどう見るか。
同性だから共感するのか、女だからこそ反発するのか。所詮はフィクションの作り物に映るのか。
そこらへん訊いてみたいが、残念ながらその興味が満たされる機会はまずないだろう。
んー、久しぶりに、原作を引っ張り出そうなあ。
もうすっかり刷り込まれていて、この曲を聴くだけで毛穴が開くんだよね。
ここまで読んでくれた人サンクス。
そして、素晴らしい作品を送り出してくれた、創り手たちにありがとうを云いたい。
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