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2014年12月21日08:04

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無常だから慈悲が生まれる



臨済宗円覚寺派・横田南嶺管長のお話です。
・・・「やすらぎ通信・2014年冬号」より・・・




確かに東日本大震災は、大自然を前にした人智の小ささを感じ、人間は無常から逃れることができないと身に染みて知らされます。

けれども一方で、無常だからこそ、互いのいのちを大切にする心が生れ、慈悲の心を持って生きようと思えるのです。

身近な例を考えてみましょう。誰かにプレゼントするとき、造花ではなく生花の花束を贈りますね。生花の花束は数日で枯れてしまいますから、無駄といえば無駄です。しかし、枯れていくいのちゆえに、人はその花の美しさを愛おしみ大切にします。花束の贈り物には、そのような慈悲心がこめられているのです。


歌手で女優の宮城まり子さんが肢体不自由児のための施設として開設した「ねむの木学園」では、当初、子供たちがすぐに壊してしまうからと、プラスチックの食器を使っていました。しかし、宮城さんは、それらをすべて瀬戸物の食器に替えたそうです。

「確かに、子供たちはすぐに器を壊してしまうかもしれない。でも、壊れない器で食べていたのでは、心の成長にとってよくない。どのようなものであっても、いつかは壊れる。けれども、こわれるからこそ大切に扱う。大切に扱えば愛情がわいてくる」。

そう考えて、瀬戸物の器に替えたのでしょう。



仏教詩人・坂村真民先生は、「一切無常」という詩で無常をわかりやすく表現されていますので、その詩を紹介しますので、ぜひじっくり味わってみてください。

散ってゆくから
美しいのだ
毀れるから
愛(いと)しいのだ
別れるから
深まるのだ
一切無常
それゆえにこそ
すべてが生きてくるのだ




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