致知出版社の「人間力メルマガ」(2014年11月25日)より。
和歌山県田辺市内の閑静な住宅街にある坂本助産所。
ここに4000人を超える赤ちゃんを取り上げてきた助産師がいます。
坂本フジヱさん、90歳。
この道一筋70年、国内最高齢の現役助産師としていまも活躍を続けています。
そんな坂本さんが語った「子育て術」。
──先ほど「子供が生まれてからの1年間は、お母さんがどういう接し方をするかに完璧に委ねられている」とおっしゃっていましたが、具体的にはどうすればいいのでしょうか?
何も難しく考える必要はなくて、赤ちゃんを抱いて抱いて、ひたすら抱きしめて、徹底的に可愛がってあげる。
与えて与えて、与えきって構わないんです。
そうすれば、素直ないい子に育ちますよ。
特に最初の3か月までは「盲目の愛」でいいんです。
ところが最近のお母さん方は昔に比べて大学とか短大まで進んで教育を受けるようになったでしょう。
そういう人たちが赤ちゃんを育てると、物言わぬゼロ歳児は何も分からないと思って、
自分の考え方や価値観というものを押しつける。
実はそれが赤ちゃんに理不尽に堪えているんですよ。
──最近はゼロ歳児を対象にした教材もかなりありますね。
ゼロ歳児には道徳の観念や躾は無用だし、親の欲目で早くから教育しようなんていう考えは一つもいらないんです。
それよりも一年間は徹底的に大事に大事に育ててあげる。
そうして一年経ったら、いろんなことに耐えられるようになるから、教えるのはそれからでいい。
逆にゼロ歳児のうちにあやふやな養い方をすると、その後遺症が一生続いていくんです。
どうなるかというと、自己を肯定する感情が育たなくなる。
だから母親とゼロ歳児の赤ちゃんとの間には、他の人に首を突っ込ませるなということなんです。
──自分のことが好きではない子供が増えているといいますね。
本当の愛情をもらった子供たちは、母親との間に原信頼関係というのができてくるんです。
そして次に自尊、つまり自分を尊ぶ感情が生まれてくる。
「自分はお母さんが思ってくれているような大切な人間なんだ」
と自覚できるようになると、今度は自分を大切にするだけではなく、人も大切だということを自然に学んでいくというわけです。
つまり母親との原信頼関係が強固に構築されれば、それをベースに父親も見る、
おじいちゃんおばあちゃんも見る、周囲の人たちも見る、というように社会に広がっていく心というものが育まれていくんですよ。
もっとも、私が昭和22年に開業した当時のことを思ったら、この頃の赤ちゃんって随分進化したと思うんですね。
──赤ちゃんが進化しているんですか!?
やっぱり半世紀も経つと、どこかに進化の後が出てくるんですよ。
どの部分かというと、私は智恵ではないかと思うんです。
──智恵、ですか。
昔から「三つ子の魂百まで」と言われていますが、私は一年間母親が愛情を注げば
大丈夫だという考え方でした。
ところが最近の赤ちゃんは半年でマスターしているんじゃないかなと思うんですね。
赤ちゃんに寄り添って観察していると、どうしてもそんな気持ちがするんですよ。
だから子供が生まれて半年くらいして・・・
・・・・・この続きは『致知』2014年12月号をご一読ください。
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