春、山河を蛇が泳いで渡る。透明の大きなビーチボールの中に毒蛇殺人の被害者の首が封じ込められていて、頂からコロコロと流れてくる。
わたしの髪はのびすぎて、どうもこれまでどおりには結えなくなっている。
ドライヤーで暖める、水で冷やしてみる、油をつけてみる、炙る、煮る、焼く、しても……蛇というよりは亀頭みたいな形にしかならない。なんという卑猥さ!顔を赤らめてそぞろ歩きの毎日です。
家の蛇口をひねれば水が出るような具合で描ければいいのですが、山頂の我が家には蛇口が見当たらず、ふもとの井戸までやっかいな一輪車で汲みに行かないと手に入りません。
道は以前よりは岩が少なくなったけどまだまだけわしく、犠牲になったたくさんのマムシたちが頭に絡みついたり、知らない大人に五千円で買われそうになったり、野犬に追われたり、そのたびに自分のふがいなさに嘆いたり。
朝5時ごろ、やっと井戸までたどり着くとあたりにはわたしと同じように水を汲みに来た人々が広場にあふれています。
彼らと同じように腫れてきらきらした目で空を見上げると、やがて井戸の上に大きな人が現れます。
「さあ…今日はどっちだ!?電気か?ツバか?」
大きな人は電球の目玉をピカピカ点滅させると指を一本立てて井戸に何かを送り込みます。
「やった!電気の水だ!!」
そうして手に入れた水を持って帰ります(途中センターと呼ばれる施設によって水を漉す。僕は最近この施設の存在を知ったばかりです)
管理人がバトンタッチ、なんと自分に…!
恥ずかしい。でも別に気にしな〜い!
よろしくおねがいします。
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