親愛なるフィービーへ
もう水曜日まで待っていられなくなったので、今日の午後、ヒッチハイクで西部へ出かけることになると思います。できたら、十二時十五分に美術博物館の入り口のとこまで来てくれないかしら。君のクリスマスのおこづかいを返そうと思うから。まだたいして使ってません。
愛をこめて
ホールデン
ただ、フィービーが、ブルーのオーバーやなんかを着て、ぐるぐる、ぐるぐる、回りつづけてる姿が、無性にきれいに見えただけだ。全く、あれは君にも見せたかったよ。
「私のヘア・スタイル好き?」
「すごく良いよ」
「どれくらい良い?」
「世界中の森の木が全部倒れるくらい素晴らしいよ」
「本当にそう思う?」
「本当にそう思う」
「ねぇ、ねぇ、ねぇ、何か言ってよ」
「どんなこと?」
「なんだっていいわよ。私が気持良くなるようなこと」
「すごく可愛いよ」
「名前をつけて言って」
「すごく可愛いよ、ミドリ」
「すごくってどれくらい?」
「山が崩れて海が干上がるくらい可愛い」
僕は緑みたいな女性を探してるんだ。
まぁ、一生見つからないだろうけど。。。
人生って平等じゃないよね。
ほんと皮肉なもんだよ。
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