デラ・ジュメラート

ログインして参加する

詳細 2012年3月23日 02:37更新: パキスタン・スーフィー・コミュニティ
「デラ・ジュメラート」

パキスタン、ラホールでは毎週木曜日(＝ジュメラート)、
多くの聖者廟にてイスラム教神秘主義
スーフィーの儀式が行われている。
それらの儀式は音楽によってトランスを生み出し、
トランスに導かれることによって我を忘れ、
神との一体化を実践することが目的とされている。

スーフィー儀式で用いられる音楽を一般的に
スーフィー・ミュージックなどというが、形態は様々である。
ヌスラット・ファテ・アリカーンに代表されるようなカッワリー、
パキスタンの歌姫と呼ばれたヌール・ジャン、
2006年にBBC Awardアジアを受賞した
サイン・ゾーホールに代表されるフォークソング、
そして冠婚葬祭に欠かせないDhol(ドール)と呼ばれる
両面バチ打ち大太鼓2台によるビートの掛け合いも、
すべては神を想い、聖者を想いながらトランスへと繋がる
スーフィー・ミュージックである。

ババ・シャージャマールという聖者廟では
約500年も前からDholeによるトランス儀式が行われている。
Dholの音色はタブラと変わらないほどの多岐に渡るが、
タブラと異なるのはその音的破壊力であり、
ストラップのついたDholを肩に担いで演奏する奏者は
演奏しながら踊り、回転しながら、その破壊的ともいえる
様々な音色を放射する。

トランス、ドラムンベースという
電子音楽カテゴリーが生まれる数百年も前から、
パキスタンでは二つの太鼓の生音によるビートの掛け合いで
スーフィー求道者達は踊り、忘我(トランス)していたのだ。

パキスタンにはスーフィー・ビートなるものがある。
DholでもDholkiでもTablaでも演奏されるダマール・ビートだ。

ダマール・ビートが意味するものは何か？
それは継続される儀式で愛され、
踊り継承されたビートの物語りだ。
その複雑な物語りの中、木曜日、皆が我を忘れる。
儀式に訪れる多くのスーフィー達は
ビートが鼓動に回帰することを知っている。
スーフィー・ビートは魂のビート。つまり鼓動によるトランス。
ドールによって放射されるビートの物語が、聴く者の鼓動を捉え、
高鳴らせ、やがて皆が同化して行く時、
聖者廟ババ・シャージャマールに転がる多くの物語が
一つに結びついて行く。

スーフィーは本来、コーランには記載されていないため
厳格なイスラム教徒からは異端とされている。
だがパキスタンのイスラム教において、
土着的な風習としてスーフィズムは根強く、
各地で命日祭(ウルス)、祭り(メラ)など
たくさんの儀式が行われている。
スーフィーは宗教ではなく、知恵であり、教えであり、
またそれらを実践することである。

例えば
Allahは大きなエネルギーの源である。

宗教が神との契約である時、
コーランは
Allahというエネルギーの源と
個人との契約を唱え、
そのエネルギーの源と
どのように相対するかを唱える。

だが、コーランは
Allahというエネルギーの源において
個人が隣人と
どのように相対するかをも唱えている。

個人がAllahとの契約の中で
そのエネルギーの源を感じることと、
個人が隣人とのコンタクトの中で
そのエネルギーを感じ分ち合うこと、
その二つを唱えている。

個人がAllahというエネルギーの源を
感じるための契約、
その方法、そのための準備、
そのための戒律、そのための実践、
それがイスラムの教えであり、

個人が隣人とのコンタクトの中で
そのエネルギーを感じ分ち合うための方法、
そのエネルギーの一部に回帰するための修行、
そのための実践、
それがスーフィズムなのだ。

Mast Qalandar Jhure Lal! (マスト・カランダル・ジュレラール！)
Mast Qalandar Jhure Lal! (マスト・カランダル・ジュレラール！)

自己紹介、気軽に一言はこちらからお願いします。
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=7543528&comm_id=729747

SGR-gramali