2001年大晦日。
猪木祭で行われたK1軍vs猪木軍、タイスコアで迎えた大将戦。
藤田が怪我で欠場、小川がゴネて(笑)欠場、もう打つ手がないと思われた猪木が最後の切り札に持ってきたのは、何と安田忠夫でした。
誰もが、猪木は大博打に出たな、と思いました。
いくらダジャレ好きなアントンとは言え、最後の大博打に、博打でボロボロに身を崩した安田を使うなんてどんなダジャレかと!
ところが。
安田はやりました。
ここしかない、いや、ここでこんなものが出るのか、という凄いタイミングで、一生に一度しかないようなクソまぐれをやらかしました。
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・・・
直前のセミファイナルでは永田がミルコに秒殺KO負けという当たり前の現実を眼前に叩き付けられ、プロレスファンが意気消沈する中、安田は現れました。
相手はあのジェロム・レ・バンナ。
安田はこの年の8月に、バンナより明らかに格下のレネ・ローゼにボコボコにされてKO負けしてます。
(更に言うと格闘技戦で安田が勝ったのはグダグダの判定でお情けでどうにかこうにか勝たせて貰った佐竹戦とこの一戦のみ、他は例外なくボコボコ。酷えボコボコ)
勝てる筈がない ───
─── が、リングに向かう安田の顔つきは、いつもと違いました。
少なくとも、俺にはそう見えました。
娘との絆と、猪木軍の、ひいてはプロレスの命運を託された「本当にどうしようもない男」安田忠夫の、一世一代の大博打。
・・・
安田忠夫という男は、それより前も、それより後に至っては尚更、本当に「てんで駄目」の典型のような人生を歩んでいます。
しかし、だからこそ、自分の中ではあの時の輝きが色褪せるどころか余計に光を放ってしまうというのもまた事実であります。
むしろ、そんな彼にしか放てなかった光でもあります。
俺はまだこの話でどんぶり飯3杯はいけます。
万が一、俺も結構イケるよという方がおられましたら参加ヨロシク