古来来からの伝統を受け継ぐ全国唯一の琵琶法師。
宮崎県指定無形文化財。
永田さんは昭和10年北方町椎畑で生まれ、2歳のときに失明。
昭和23年5月に先代児玉定法住職に弟子入りし、
半年後には経文・琵琶を覚えて檀家まわりをはじめました。
昭和58年、先代の後を継ぎ住職となり、
以後延岡市内や北方町内の檀家約千軒を回り、
琵琶を弾きながら、家の五穀豊穣、無病息災などの祈願を行っています。
現在では、釈文12巻をすべて暗記して琵琶を弾き、
500年前と同じ姿で檀家を回っているのは全国でも永田さんただ一人です。
国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市)の小島美子名誉教授は
「永田さんの琵琶は『薩摩盲僧琵琶』の系譜の『日向盲僧琵琶』で、
音楽的にも文学的にも洗練された形で伝わる唯一の人です。
声も琵琶の音もとても音楽的で、
メロディーにも工夫が凝らされている」と絶賛されています。
■プロフィール
浄満寺第十五世住職永田法順さんは、
昭和10年9月延岡市の西30キロの北方町で生まれたが、
幼くして失明。春秋の2回、彼の集落に来た琵琶盲僧の
浄満寺・前師児玉定法の琵琶の音に魅せられた彼は、
12歳で浄満寺に入門した。視力の無い師匠が、
見えない弟子に手と手を取り合って物事を教えていく。
3年目に天台宗の得度試験に合格し、僧籍に入った。
2010年01月24日没