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プラテーロとわたし(Platero y yo)
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スペインの詩人フアン・ラモン・ヒメネス
(1881.12.23〜1958.05.29)が、アンダルシア地方にある
生まれ故郷のモゲールで、静養しながら大部分を
書いた、138編からなる散文詩。
ヒメネス33歳のクリスマスに初版本出版。
やわらかな空気の中、ロバのプラテーロにやさしく語りかけるヒメネスと
プラテーロのたたずまいに心がほんわりと暖かくなってきます
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プラテーロは、
小さくて、ふんわりとした綿毛のロバ。
あまりふんわりしているので、
そのからだは、まるで綿ばかりでできていて、
骨なんかないみたいだ。
けれど、その瞳のきらめきは、
かたい黒水晶のカブト虫のよう。
手綱を放してやると、プラテーロは、草原にでかけ、
バラ色やそら色やこがね色の小さな花々に、
そのはなづらをよせては、そっと愛撫する・・・
私がやさしく、「プラテーロ」と呼ぶと、
笑いころげるような軽やかなあしどりで、
なんとなく牧歌的な鈴の音にも似たあしおとを
ひびかせながら、かけよってくる。
彼は、私があたえるものなら、なんでも食べる。
とりわけ、ミカン、こはく色のブドウ、
透明な蜜がしたたるほどに紫がかったイチジクなどが
すきだ。
彼は、まるで男の子か女の子のように、
愛らしく甘ったれだけれど、
芯は石のように強くて固い。
私が、日曜日ごとに、
町はずれの小経をプラテーロに乗っていくと、
こざっぱりとした身なりで、のんびりとやってくる
村びとたちは、
立ちどまってロバを眺めながらいう。
──はがねのようだね・・・
そう、はがね。
はがねづくりのようなプラテーロは、
お月さまの銀の色をしている。
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プラテーロとわたし
J・R・ヒメネス
伊藤武好・百合子訳
理論社(フォア文庫) より
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