クアンタムシステムとは、劇場版機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-に登場するモビルスーツ、ダブルオークアンタに搭載されているシステムである。
ダブルオークアンタは戦う為のガンダムではなく、GN粒子と脳量子波によって他者と意思の疎通を図り、来るべき対話に備えられたた機体である。ダブルオークアンタに搭載されたクアンタムシステムは来るべき対話の為の重要な鍵となっている。
そのネーミングに驚いた人も多いと思う。クアンタの戦わないぶりにも。
GNT-0000 ダブルオークアンタ
ツインドライヴシステムを搭載するダブルオーの後継機。純粋種へと進化し、ダブルオーライザーの限界性能を超える能力を得た刹那・F・セイエイのために開発された、「真のイノベイター専用機」である。機体名の「クアンタ」は「Quantum(クォンタム、量子)」の複数形である「Quanta」、型式番号の「T」は「Twin(ツイン)」を意味する。
2年前の戦いでダブルオーの太陽炉が全て喪失したため、本機は木星で製造された2基の新型太陽炉を搭載している。この太陽炉は製造時からツインドライヴ用の調整が施されているため、起動開始の時点で既に完全な同調を果たしている。機体への搭載位置も、胸部と左肩GNシールドに各1基ずつを内蔵する左右非対称の配置に変更されている。これに伴い、ダブルオーでは胸部に位置していたコックピットは腹部に移設され、コンソールなどの内装品も一新されている。実際の出撃時には、コックピットの後方にELSから来る莫大な情報量に対し、完全リンクを果たしているティエリアとヴェーダに対応してもらうためにヴェーダのターミナルユニットが取り付けられた。機体の内部フレームはダブルオーと同一構造だが、これは開発費の都合だけでなく、ダブルオーの設計が既に完成の域に達していたという理由による。ただし内装機器などは、純粋種の力を最大限に発揮するために新開発された物が多く採用されている。外観の造形はエクシアに似せてあるが、これは刹那に対するイアンからの配慮によるものである。
ダブルオーライザーではトランザム中のみの副次的な現象であった量子テレポートを標準システムとして搭載するほか、単独でELSの軍勢を全滅させることが可能なほどの戦闘能力を秘めているが、その本質は刹那の純粋種としての能力に反応する特殊システム「クアンタムシステム」にある。このシステムは、ダブルオーライザーのトランザムバーストをはるかに上回る高濃度粒子領域を展開する「クアンタムバースト」によって人々の意識共有と相互理解をより強く促し、最終的には「戦いそのものを止めさせる」という刹那自身の想いを体現したシステムである。クアンタムバーストには複数のレベルが存在し、最高レベルでは左肩のGNシールドを背中に引き込んで2基の太陽炉を直結し、次いで全身の装甲を排除して各部のGNコンデンサーを露出させ、貯蔵された全粒子を開放する。機体の発光色も、トランザム時の赤色ではなく緑色となる。
ELSとの最終決戦では、超大型ELSの中枢にて、イオリアの予測より数世紀早く訪れた異星体との「来るべき対話」を果たすべくクアンタムバーストを発動し、ELSの旅の目的と地球圏に来訪した理由を垣間見る。そして刹那は、人類同士の相互理解の可能性を示すために、また自らは ELSとの相互理解を果たすべく、クアンタの量子テレポートを発動させELSの母星へと旅立っていく。それから50年後、対話を終えて地球に帰還したクアンタは、相互理解の過程でELSと融合し「クアンタエルス」となっていた。クアンタムバーストで排除した装甲が左右対称の形状となって再構築され、背中には8枚の発光する翼のようなパーツが形成されている。