ベートーヴェン作曲 ピアノ・ソナタ第31番 変イ長調 作品110
ピアノ・ソナタ第31番は、前作の第30番以上に叙情性の豊かなソナタであり、そこでは、さらに深い内面性が印象深いものになっている。この作品は、その原稿に記された日付によると1821年12月25日に完成されたことになっているが、ベートーヴェンはその翌年にフィナーレに手を加えたと伝えられている。このソナタは、なぜか献辞のないままで出版されている。
モデラート・カンタービレ・モルト・エスプレッシーヴォの第1楽章は、ソナタ形式による楽章であり、流動的な音の流れのなかに豊かな詩情と夢幻的な美しさがいっぱいに湛えられている。アレグロ・モルトの第2楽章は、三部形式による楽章であり、明らかにスケルツォに相当する音楽と考えることが可能である。アダージョ、マ・ノン・トロッポ―アレグロ、マ・ノン・トロッポの第3楽章は、形式と内容共に極めて独創的なフィナーレで、アダージョの序奏部と3声の自由なフーガによる主部から構成されており、さまざまなフーガの技法が駆使されて壮麗なクライマックスが築きあげられる。
ベートーヴェンの後期ピアノ・ソナタの中でも特に人気の高い第31番ソナタに特化したコミュニティがあっても良いのではないかと思い、このコミュニティを立ち上げました。第31番好きの方、自由に意見交換できるとイイですね。
困ったときには