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それはミティラアートです

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詳細 2015年5月24日 21:35更新

初めまして!
2010年2月から7月の5ヶ月間、ネパール東部のジャナクプルという地域で伝統民俗画である「ミティラアート」を学んできました、
ミティラアーティストのまゆか(愛知県在住)です。

ネパールの首都カトマンズにある、「ジャナクプル・ハンディクラフト・センター」という民間団体の特別コースで1ヶ月と4日、カトマンズとジャナクプルで2回トレーニングを受けました。
(団体ブログ http://www.mithilanepal.blogspot.com/

また、2010年7月には、人生初の展覧会「インナー・ビューティー」を
ネパール・ラリトプールにて5日間行いました。



まゆか ネパールより帰国後のブログ(ameba)
http://ameblo.jp/mithilaartist-mayuka/



「ミティラアート」とは
ネパールのジャナクプルと、インドのビハール州を含む「ミティラー地方」(今はインドとネパ―ルに分断されていますが、当時はひとつの地域でした)で生まれた、主に女性によって描かれている民俗画です。

「これ、アジアン雑貨屋さんで見たことある絵だ!」と思われた人も多いかもしれません。

もともとは「家を守る」という役割を持つ女たちが、家の装飾として、壁に象形文字のような絵を描いていたのが始まりです。

村の女たちは男のように、外へ出てお金を稼ぐことが許されず、家で家事をするのが当たり前でした。そんな日々の娯楽として家の壁に絵を描く、というこのミティラアートが生まれたのかもしれません。

また絵の内容も、ヒンドゥー教にちなんで、神聖とされる牛やゾウ、孔雀、もちろん神さまそして神さまの持つ道具、自然の豊かさなどをモチーフに女性らしい柔らかなタッチで描かれているものが多いです。
色とりどりの絵もあれば、何を描いているのか理解しがたいマークのようなもの、絵ではなく粘土で形を作って壁に貼り付けてあるもの、様々です。

それは家族の安泰と繁栄を願う女たちの祈りのようにも取れます。
大抵の女たちが小さいころから、生活の一部として絵を描いてきたので、ごく自然なことのようです。

例えば、結婚式の日は、結婚する人の家の壁に祝福の意味を込めて、ミティラアートを描きます。その絵の内容は、ヒンドゥーの神々(主にクリシュナ神=愛の神)、動物(主にオウムや孔雀)、花そして宇宙の惑星すべてが一丸となって、2人の愛が果てしなく続くように願うというものです。
カラフルで、力強いけれども、優しさと慈愛に満ちた絵です。
また壁画以外にも、結婚式の日は米粉を水で溶いたもので、床にミティラーアートを描きます。これはあえて色を付けません。
(床に描くケースは結婚式以外でも、定期的に行われる祈りの儀式で用いられます)


このように壁画や、床に描くものとして伝統を重んじてきたミティラアートですが、最近では商品として市場に多く出回るようになってきました。またそれを広めようとする団体、個人がたくさん増えました。

そうすることで現地の女性の手元に収入が舞い込んで来ます。これまで働くことを許されなかった女性がミティラアートを描くことで、収入を得られるようになり、家計の助けになっているようです。

直接制作者の元に収入がいくように、「フェアトレード(公正な貿易)・システム」を用いてこれを販売するところが増えています。

ネパールの手漉き紙(ロクタペーパー)に絵を描き、それが海外へ輸出されるようになりました。
今では日本だけでなく、アメリカ、ヨーロッパなどでもミティラアート、そしてアートグッズが売られています。


こういった成功の裏には、アート・アーティストの減少という現実問題がります。
時代の移り代わりと共に、伝統的な壁画の家から現代的な家へ移り住む住民が増えています。それによってアートの存続が危ぶまれています。また移住以外にも興味がなくて描かないケースもあるようです。
実際私がジャナクプルの村を訪れたときも、アートが施されている家はごくわずかでした。

そして、継承者が少ないということ。大人から子どもへの受け継ぎが上手く行っていないようです。絵を学ぶこともしないそうで、ジャナクプルの子どもはミティラアートを描く子がほとんどいません。 


長くなってしまいましたが、
私はそんなユニークなミティラアートに惹かれ、現地を訪れて学びました。

あの色鮮やかな、見ていて幸せに成れるような絵を日本の皆さんに紹介したいと思っています。

日本の皆さんに自然に受け入れてもらえるような方法を考えています^^
とっても奥の深い、ミティラアートをどうか覚えてください。

まゆかのアート活動を通じて、
皆さんとミティラアート(ネパール)をつなぐための場所にしたいです。

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カテゴリ
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