SIBERIAN NEWSPAPERよりファンのみなさまへ
2014年、春のツアーをもちまして、
SIBERIAN NEWSPAPER(シベリアンニュースペーパー)は2005年より続けてきた音楽活動を、一旦休止させていただきます。
いついつに再開しようなどの目処はたっておりませんし、本当に再開されるのかどうかもハッキリと断言は出来ません。
今の時点では、するもしないも解らないということです。
正直、今のまま活動を続けてもシベリアンとして満足するものを生み出せる気はしません。
どうして解散ではなく活動休止を選択したのかといえば、それは未来に希望を残しておきたかったからです。
ささやかな希望かも知れませんが、それはとても大切なことだと思うからです。
また、縁があればと思う気持ちで活動休止という言葉を選択しました。
誰よりも縁に恵まれたシベリアンニュースペーパーでした。
自分たちが出口のない音楽の森で迷ったりしたときでも、「シベリアンの好き勝手にするのがいい」と
それこそ好き勝手なことをファンの方々や、スタッフからも言ってもらえる、ユーモアに溢れてとても賑やかなバンドでした。
シベリアンの音楽を通して、皆さんと出会い、いろいろな場面で皆さんから沢山の何かをいただきました。
それをまた魔法で音楽にして、僕たちが返す。また、いただく。
何かと何かを物々交換させてもらっていた、そんな感じです。
とても純粋で、だけどキナ臭くて、人間の本質に基づいた縁でした。
色んなものをいただきました。
壊 れた心とか、掴みどころのない憂鬱とか、昨日のちょっとした幸せな話とか、孤独についてとか、結婚報告とか、妖怪とか、金欠とか、星とか、戦争と平和と か、シャンソンとか、アルコールとか、受験問題とか、愛の素晴らしさとか、愛の素晴らしさを憎むとか、およそ文明における要素の大半をいただきました。
僕らも色んなものを返しました。
馬とか、鳥とか、燃える絹とか、ヒステリーとか、あるのかないのか解らないスカーフ(赤)とか、消えそうな微細なメヌエットとかを返しました。
一人で抱えててどうしようもないことを、行き場を探して砂漠の上を渇いたまま歩くような何かを、
問うても問うても解答が出てこないような夢を、皆で交換しあい、確かめあい、認めあい、感じ合って震えるような、
そんな素敵な交易の場を皆で作ってこれたことが、シベリアンの誇りです。
心の底から、あなたたちにありがとうございましたと言える機会が欲しかった。
だからやっぱり、さようならしようと思います。
メンバー同士にしても、あなたたちにしても、この世に替えが効くものではなく、これまでに共有した想いは風化することも色褪せることもありません。
必ず次に繋がるものだと信じています。
鑑賞者と作品のあいだで行われる風化しない関係のことを「芸術」と言うのだとすれば、僕たちとあなたたちの関係は芸術なのです。
これまで、お世話になりました、言葉は尽きませんが本当にありがとう。
阿守孝夫 (Acoustic Guitar)
土屋雄作 (Violin)
山本周作 (Bass)
真鍋貴之 (Classic Guitar)
平尾正和 (Percussion)
藤田一宏 (Piano)
SIBERIAN NEWSPAPER より
困ったときには