自分たちのイデオロギーはもはやジオメトリックなまでに切り出され、確定されているのであって、そこに神鋼を穿つことは困難だ。だが、最大の悪夢は、長期化したメタノイズに対し行動不可能な原則を突き付ける野蛮な習性であり、その長期的脱却こそが達っせらるるべきテーゼとなろう。しかるに、アイロニカルな暴力は常に悲劇を生みだすのであり、孤独な詩人だけが人生の犠牲者ではない。故に砂の如く流れ去る永遠の時間もおそらく永劫回帰するのであり、責任主体としての我々の自存性は、ネガ的ポリティクスの痙攣的微動によって脅かされるであろう。宿命の姿とは、いわば収斂する子宮さながら、蠕動運動を開始して律動をもたらし、砕かれた鉄のパネルが被弾し、破焼するように、いささかの猶予も許さない。天上十二階の秩序立った進行は常に拡散される神智の揺らぎの場に引き戻され、やがて種子を宿した茨の花を放射状の庭に乱舞させるであろう。揺るかな胎動は、結合と離散を促し、常時蓄積される熱エネルギーが臨界点を突破して、宇宙の分布図に決定的な変更を齎すだろう。そのさなか、もはや真に沈滞し、沈澱してゆく重エネルギーはこんにゃくとちくわをおいて他になく、かの中村理論は証明されるだろう。中村理論が示すその超磁場的粒子拡散の法則、いわゆる、中村ゾーンにおいては、物質的なるものはその属性を剥奪され、ことごとく漂白される。そこでは時間の矢が、エントロピーの法則にあらがい、自壊し、次元相転移の初期状況を具現化する。その周期は観測される事実によれば、きっかり六十年周期であり、それ以上でもそれ以下でもないことが知られている。その六十年周期のバイオリズムは、古代マヤ文明も活用していた六十進法との関わりが指摘されているが、真相のほどは知れない。従って理論上予測される中村さんの次の出現期は2069年であるはずだが、その出現がもはやレギュラー化する兆候を見せているとの観測結果もある。今年九月に河口湖周辺の民宿に襲来したときは、当時滞在していた某大学の学生数人ほどがその特殊磁場の影響を被り、その内、約1名が重傷を負ったとの報告もある。地球に定期的に襲来する天体としては他にハレーすい星等が知られているが、ヒューマン形態を取り、人間の精神に直接アプローチする天体は中村さんのみである。また、特殊なスペクトル解析によれば、中村さんの身体の98%は光で出来ているという。
ちなみに、トップ画は随時募集中だ。
より写実的な絵を提供してくれる諸氏が現れることを祈っている。
困ったときには