予備校というのは受験勉強のために存在する、義務教育から外れた異質な空間。陳腐な言葉で表現するが、やはり非日常的空間である。同じ志しを持った若人が、同じ学び舎で単調な日々を送る。しかし、そのモノトーンな空間を彩ったのは私たちである。つらかった一年を経て、それぞれがそれぞれの道へと進んだ。私たちはそれぞれが歩んだ軌跡を見つめ直す必要があるのではないか。過去を変える、そして価値を与えるのは哲学しかない。しかし、価値を与えられなくても、過去は過去という物語なのだ。みんなでその物語を読むことは、意味がないであろうか。私はあると思う。
困ったときには