青空のむこうから一人の少年が降りてきた。
やり残したことがあるから・・・。
ぼくはまだ決めかねてた。
アーサーはぼくに背中を向けて歩き出した。
そのとたん、エギーやママやパパや友だち、ぼくが知っている
人たちの顔が次々に浮かんで、どうしてももう一度
会いたくなった。みんながいなきゃいけてけない。
死んでることだってできない。
すぐにぼくは決心した。
アーサーの後を追いながら呼びかけた。
「待って、アーサー。ぼくも行く。」
アーサーは立ち止まってぼくを待った。
それからふたりで駆けだした。
<生者の国>を目指して。
今、がんばりすぎて「なぜ自分が生きているのか」「本当はどうしたいのか」を見失っている人、生きることが疲れてしまった人に読んでもらいたい作品です。この物語は全て、主人公ハリーの体験記のように書いてあります。
ハリーは自分が死んでしまってから、いろんな所を見ました。自分が居なくても世界は動くこと。でも、人の心はそんなに簡単に大切な人を忘れられないこと。そんな中で、「やりのこしたこと」をかなえて「彼方の青い世界」へ行く描写は素敵。チョコレート・アンダーグラウンドとは違ったアレックス・シアラー氏の魅力が満載です★