アーロン・ロザンド(ヴァイオリン)
Aaron Rosand
1927年アメリカ生まれ。イザイに教えを受けたレオン・サメティーニに師事後、カーティス音楽院でアウアーの弟子エフレム・ジンバリストに師事し、フランコ=ベルギー派とロシア派の両奏法に通じる。ミルシテインなど巨匠に薫陶を受ける。現在フィラデルフィアのカーティス音楽院、ボルティモアのピーボディ音楽院、マンハッタンのマネス音楽院、夏季講座としてニースのCIF、ザルツブルクのモーツァルテウムなどでも教授活動をする。
アーロン・ローザンドはインディアナ州ハモンドでウクライナ人を母に、ユダヤ系ポーランド人を父に生まれ、シカゴで育った。父親の熱中するヴァイオリンは、ローザンドが3歳になった時から生涯離れることのない楽器となった。幼年の頃からまれに見る才能を発揮し、シャーウッド音楽学校では奨学金が与えられた。
ローザンドは、9歳でシカゴ・シビック・オペラ・ハウスで本格的なリサイタルでデビュー、10歳でフレデリック・ストックの指揮により、シカゴ交響楽団とメンデルスゾーンのコンチェルトを共演オーケストラのデビューを飾った。
1948年、ローザンドはニューヨークのタウン・ホールで大成功を収め、プロとしての演奏活動を始めた。以後、演奏活動は全米に及び、その数年後には始めてのヨーロッパ公演を行なった。1960年、ローザンドはレナード・バーンスタインとニューヨーク・フィル・ハーモニーと初共演、1963年からはほぼ毎年ヨーロッパで公演している。フリッツ・ライナー、エリック・レオンズドルフ、W.スタインバーク、K.コンドラシンとの共演が注目をひく。
今日、ヨーロッパ、アジア、アメリカにまたがり主要なオーケストラとの共演またリサイタルで活躍している。ローザンドのヨーロッパの成功は1956年のヴォックス・レコードによる初のブラームス・ソナタのレコーディング、その後の数多くのレコーディングの実現となった。中にはシベリウスのユーモレスク、サラサーテのオリジナル・カルメン・ファンタジーのレコーディング、スペイン舞踊曲全曲、べ一トーベンのヴァイオリンとピアノのための全曲集などがある。彼のヴァイオリンとオーケストラのフランス作品集のレコーディングは、またたく間にベスト・セラーとなった。
ロマンチック音楽のスペシャリストであるローザンドは、多くの19世紀の眠り続けていた作品をレコーディングしている。その中には、ヨアヒム、フバイ、リムスキー・コルサホフ、ゴダード、アレンスキー、ヴィニアフスキー、イザイなどがある。これらのユニークなレコーディングはヴァイオリン音楽の愛好家によって大切に保存されている。ロマンチック奏法の伝統を持ち続けながら、ローザンドは世界中で公演、レコーディング、公開講座を行ない、現在はフィラデルフィアのカ一チス音楽院主任教授、ボルティモアのピーボディ音楽院、マンハッタンのマネス音楽学校で教授を勤め、夏期講座としてザルツブルクのモーツァルテウム等でも教授として活躍している
アーロン・ロザンド公式HP
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