華は毒あつてこそ美しいが、倉田啓明にあつては、我が身にありあまる華麗な毒に早々と蝕まれ、世人の属目の的となる前に、まつたき開花を待たずして萎え朽ちたといふべきか。―― 皆川博子
この“奈落の作者”、ミステリーファンなら鮎川哲也の名アンソロジー『怪奇探偵小説集』に収録の「死刑執行人の死」で、谷崎潤一郎ファンなら昭和60年に朝日新聞紙上を賑わせた「誘惑女神」偽作騒動で、ひょっとしてその名を記憶されている方がおられるやも知れません。
大正半ば、谷崎はじめ、芥川、逍遥などの偽作で稿料を詐取して刑務所行きとはなりましたが、大物作家当人と出版社をすっかり信じ込ませた奸筆は、ハテ如何様なものなりや。
ー龜鳴屋さんのHPより
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