現代におけるもっとも優れたジャズ・クラリネット奏者の1人に挙げられるアーティ・ショウは、現在盛り上がっているスウィング・リヴァイヴァル・ムーヴメントにおいて残念ながらほとんど忘れられた存在のままでいる。
ショウは30年代後半から40年代にかけて大きな成功を収め、特に40年代にはトップ・スターだった。自身のバンドには常に最高のミュージシャンたち――例えばバディ・リッチやビリー・バタフィールド、そしてズート・シムズなどを集め、50年代半ばにはそのバップ・バンドは、シーンで屈指の実力を誇った。だが、ショウはその創造力がまだピークにある時に音楽界から引退してしまう――そして、そのことを誰より残念がっていたのは彼の一番のライバルであり、同じく情熱的なクラリネット奏者のベニー・グッドマンであった。
ショウは度々音楽を辞めては映画スターと結婚(例えばラナ・ターナーやエヴァ・ガードナーなどと)を繰り返していたので、55年に最後にホーンを手放してしまった時も、彼の復活を信じるファンは少なくなかった。だが突如としてシーンから姿を消したことにより、その後のショウの伝説はより深いものとなっていったのだろう。
困ったときには