童顔、坊主頭、ジーンズ姿−−。20日に就任したオバマ米大統領の就任演説原稿の責任者だった首席スピーチライター、ジョン・ファブロー氏は弱冠27歳。その重責とは対照的に書生っぽさを漂わせる。演説草稿はワシントンの人気コーヒーチェーン店などで書き上げたという。
「スピーチ巧者」である米史上初の黒人大統領の誕生を陰で支えてきた。オバマ氏の思考や発言、書籍などを研究し尽くし、「心が読める」といわれるほどだ。
東部マサチューセッツ州出身。地元の小さな大学を03年に卒業後、ジョン・ケリー民主党上院議員の陣営に参加し、04年大統領選に出馬したケリー氏の演説草稿を担当したのが政界とのなれそめだ。
米メディアによると、オバマ氏との出会いは同年夏の民主党大会。基調演説を練習していたオバマ氏に言い回しを具申したのがきっかけだ。オバマ氏は「多様の統一」を訴えたこの演説で全国的に知名度を高め、大統領選の階段を駆け上ることになった。
05年にオバマ陣営に参加。自らを「ホームランバッターの打撃コーチ」と謙遜(けんそん)しながら、「簡潔で力強い」と評判の「オバマ節」を陰で支えてきた。「変革」のメッセージのつむぎ手として注目が集まっている。【和田浩明】
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