新月の木の家作りに興味ある人の実践的情報交換の場です。
人類の歴史の中にあって、近代技術の自然への関わりというものは、人智を越えたところの自然現象をいかに技術によって克服するかというアプローチであったように思う。まさに欧米を中心とする近代合理主義の根幹をなす思考であったろう。 しかしもはや大量生産大量消費の使い捨て文化とマネーゲームの時代は終わった。
「持続可能な開発」(Sustainable Development)の課題に基づいた生産スタイルと生活スタイルのあり方を着実に始める時期に来たといえるだろう。
「技術にとっては、自然は外部にある。第一の技術では自然を克服する。第二の技術は人間と自然の距離をとる。この距離のなかで、人間と自然の新しい関係を考えることが第二の技術の目標になる」(ベンヤミン「複製技術時代の芸術作品」精読 [多木浩二] )
現代社会に生き、生産活動をする我々の緊急の課題はこの自然と技術の距離のとりかたについてしっかりとした方向性を構築することであろう。
「パーマカルチャー」も「建築生物学」という概念も同様にこのコンテクストのなかで考えることができるはずです。
地球環境を破壊するから、木を伐採することは避けよう。という方向ではなく、無垢の木材を積極的にかつ合目的的に活用すること。針葉樹林帯だけのいびつな森林生態系から、本来の森の姿、広葉樹林と針葉樹林の混合林を増やし、もっともっと森へと人間が入り、森を生き返らせること。
有限な有機素材だからこそ、森全体を喪失させるような破壊行為にも似た伐採ではなく、またヒトへのホルモン作用攪乱物質として影響を与えるような建材作りではなく、ヒトとともに数千年にわたって私たちの身近に寄り添ってきた素材、また数百年は持つ再生可能な資源である木の本質と丁寧に付き合うこと、それこそが森を豊かによみがえらせることでもあるだろう。
さあ始めよう!そして作ろう! 私達の本来の快適な地球の住処を!
新月の木の家が今年安曇野の森に生まれる。
この場が実践に元付いた情報交換と実践マニュアルになっていくことを願って
始まりのメッセージとします。
どんどん参加してください!