興味を持たれた方はお気軽に御参加下さい。
公式サイト
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MiniDisk
音を円盤に刻む技は19世紀に誕生し、MDにおいて極点に達した。これは一つの文化的達成である。
たとえば、縮小の美を共有する<茶室>の文化に匹敵する程の深さと広がりを持つものと考えるべきである。円盤を機構の下に隠した新参の媒体に乗り換えるのは、φ70mmの形状に蔵された意味と可能性を探求し尽くしてからで遅くない。
MakingDiversity
〈500MD〉はまず或る学校の学園祭に企画された。今日、学校は都市の一部であることを忘れ、都市は学校を組み込んだ意味を顧みない。学園祭はこの分離を解消するための数少ないチャンスの一つである。そこで一人一人の創造性を解放する小さなメディアとして「MDケース」が考えられた。極小のアートスペースと見立てられたMDケースに、音楽ディスクに代って写真やイラスト・文字などから構成された「ジャケット」を収める。500個の着飾ったMDケースが数個のクラスターごとに星座のように会場全体に点在する。500通りの多様性が、形態を共有することによって緩やかに連結される。
Model for Discreteness
自立しつつ、呼応しあう。離れて立ちながら、他の共存を感じる。ソロでよし、コラボでなおよし。このような人・集落・都市の在り方を、原広司*に従って離散性Discretenessと呼ぶことにすると、500MDは離散的な世界風景のモデルとなるだろう。そして離散化の可能性が学校に止まらなくてはならない理由はない。やがて5000MDは都市に広がり、50000MDは世界に展開して、大都会の場末や、沙漠のオアシスや、戦場の壁を飾る。
*原 広司『住居に都市を埋蔵する』住まいの図書館出版局 1990