世代会計について、我が国の専門的な研究者である秋田大学の島澤諭准教授は下記のように定義しています。
「世代会計とは、推計時点の財政支出構造と推計時点で明らかになっているすべての政策(例えば、年金支給年齢の引き上げ、医療保険の自己負担率引き上げなど)−特に、世代間の分配政策−が今後も継続されると仮定した場合、どの世代が得をしどの世代が損をするのか、定量的に評価する枠組み」
1991年にアゥアバック、コトリコフ(財政学者)が提案した比較的新しい概念です。
ちなみに、
「世代会計はストックベース指標(BSに相当)、財政赤字はフローベース(PLに相当)の指標であるから、ストック化した経済では世代会計は財政に関するより有益な指標である」と考えられています。
以下、管理人が勝手に補足・・・
個人的にはストック指標とフロー指標の関係というのはそんなに単純なものではなく、ストック指標からの視点とフロー指標からの視点の双方を持つことが意思決定には欠かせないと思っています。
なお、政府部門の会計は基本的にフローのみの観点からなっており、ストックからの観点はあくまで補足的かつ実験的に政府のBS、自治体のBSなどとして開示されているにすぎません。
なので、世代会計の視点を大いに強調することで、これまでの政策選択の失敗を説明し、政策選択の過ちを軌道修正させることができるとも思っています。
格差のうち無視できない部分が世代間格差であるという厳然たる事実を正面からとらえて、経済・財政や政治の話をできればと思います。
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