クインラン・ヴォス Quinlan Vos
種族:キファー
出身:キフェックス
職業:ジェダイ・マスター
性別:男
身長:1.86メートル
愛機:不明
ジェダイ・オーダーへの入門者は幼い頃にコルサントへ連れてこられるが、この規範には最もな理由がある。入門者はパダワンとしての訓練の間にジェダイの教義を繰り返し教え込まれ、ダークサイドの魅力に取り付かれるあらゆる可能性を排除されなければならないのだ。だが、ジェダイが記憶を失ったらどうなるのか。キ=アディ=ムンディによって見出されたヴォス氏族出身の若きキファー、クインラン・ヴォスは、まさにその好例だった。
強固な団結力も持つキフュの氏族は、当初からヴォスが故郷を離れることに反対を唱えていた。彼は幼い頃から巨大な精神力の才能を露見しており、無生物上に残された微かな精神の痕跡から、近い過去の出来事さえ読み取ることができたのだ。通常、このような能力を持つキファーは守護者として故郷の人々に献身することになる。キファーの守護者は双子惑星キフュとキフェックスのあるセクターを保護する法の施行者であり、事実、彼の両親クィアンとパスロスもキフュの守護者だったのだ。ヴォス一族は代々守護者を務める有力な血筋だったのである。
シェイフ(守護者のリーダーの呼称)のカーリン・ヴォスはジェダイに妥協案を提示した。彼はクインランをコルサントへ預けるのではなく、コルサントからマスターを派遣し、この地で彼を修行させてほしいと要求したのである。ジェダイ評議会はこれに同意してマスター・ソルムを派遣し、彼はフォースの道においてクインランの良き師となったのだった。
しかし、クインランはまだ幼かった頃に両親を邪悪なアンザーティの盗賊団によって殺害されてしまう。また、シェイフの姉ティントは守護者階級に干渉するジェダイに長く不快感を抱いており、クインランがダークサイドの魅力に汚されることを密かに望んでいたのである。恐怖がダークサイドへの入り口であることを知っていた彼女は、クインランに母の守護者のエンブレムを手渡し、精神力でこのエンブレムを読むようにと告げる。だが、これは母パスロスが殺人を犯したときに身に付けていたものだったのだ。若きクインランは母の犯した殺人を直に感じ取り、3日間にわたって恐怖の絶叫を続けることになる。彼を静めることができるのはジェダイの瞑想の技術を使えるマスター・ソルムだけだった。
クインランを狡猾なティントから遠ざけるには、ソルムが彼をキフュから連れ去る以外に方法がなかった。キフェックスの氏族もやむなくそれを許可し、ソルムはコルサントで彼の修行を続けることになる。やがてクインランは師の支えでアンザーティへの根深い恐怖を克服し、才能溢れるジェダイへと成長していった。彼は持ち前の精神力をさらに鍛え上げ、この能力を評議会からよく与えられていた調査任務に役立てていた。一方でキフュの守護者たちもクインランが偉大な人物になることを望んでいたが、彼らはクインランに、心の中ではあくまでもキフェックスのことを一番に考えていてほしいと願っていた。彼らにとって、ジェダイのことは二の次でしかなかったのだ。
任務の合間になると、クインランは故郷の仲間たちと交わした約束どおり、たびたびキフェックスに戻っていた。なかにはこのような感傷的行動に難色を示すジェダイもおり、彼らは個人的過去から距離をおいてフォースへの忠誠を優先させるべきだと主張する。それでもクインランは十分な力量を認められており、やがてジェダイ評議会も彼にナイトの称号を与えるのだった。
その後、彼はグリッタライルの密輸に関する調査でナー・シャダーを訪れるが、そこでスパイス密輸業者のポル・セキュラに捕らえられてしまう。だが、クインランはポルの姪である若きトゥイレックの少女アイラ・セキュラを見出し、パダワンとして育て始めるのだった。だが、クインランとアイラはポルによって投薬され、記憶を失ってしまう。クインランはわずかに残された過去の断片から、自分の意志でフォースの力を使うことはできたが、自制心を失ってしまったのだ。アイラはそのまま人質としてポルに連れ去られ、クインランはこの出来事を境に、危険なほどダークサイドに近づいていったのである。
やがて記憶は取り戻されるが、それでもなお彼はダークサイドに取り付かれていた。その後もクインランは任務でたびたび銀河系の淵に派遣され、無節操なデヴァロニアンの詐欺師ヴィルマー・グラークと何度か行動を共にしている。彼の忠誠心は当てにならないが、ヴィリーは幾度となくヴォスを助け、自分が役立つ存在であることを知らしめたのだった。
そしてグラークと共にライロスを訪れたクインランは、ついに記憶を失ったままのアイラを発見する。かつての誇らしいパダワンは卑しい奴隷にまで身を落としており、叔父ポルのために重労働を強いられていたのだ。クインランは怒り狂い、ポルを拷問することによってグリッタライル密輸の黒幕、チョム・フレイ・カ元老院議員の名を白状させる。そして彼はチョム議員を殺害するためコルサントへ急行するが、間一髪のところでメイス・ウィンドゥに阻止されるのだった。メイスはチョム議員を誘い出し、合法的手段で彼を法廷の場に立たせたのである。その後、クインランは再びジェダイ・オーダーに迎え入れられ、再訓練を受けるのだった。それでも彼は危険な精神的不安定性を抱えたままの状態であり、その後も闇との危険な接触を何度か経験することになる。
やがて精神状態は回復したが、それもつかの間、クインランは評議会によって辺境の惑星ダソミアでの危険な任務に派遣される。この禁断の惑星では邪悪なフォースを振るう魔女たちが、想像を絶する力を持った古代の神殿を復活させていたのである。太古の昔に絶滅した種族によって造られたスター・テンプルには、破壊的衝撃波を生成する次元の門、インフィニティ・ゲートがあり、銀河系全域に空間的混乱をもたらすことができるのだ。ダソミアを支配する氏族の長マトリアーク・ゾルムは、この神殿を発掘し、無限の衝撃波でコルサントの破壊を試みる。だが、クインランは彼女の娘ロス・ライの助けを借りて、ゾルムの野望を阻止することに成功するのだった。
その後クインランに与えられた任務の1つは、彼を故郷へと連れ戻した。シェイフとなったティントが、囚人惑星キフェックスの刑務所で起こった大量虐殺に関する調査のため、クインランの派遣を強く要請したのである。だが、この任務はクインランをダークサイドの太古の力によって汚された惑星へと導き、彼を自身の闇に閉ざされた過去へと踏み込ませることになるのだった。
キフェックスには1,000年にわたって投獄されているダーク・ジェダイが潜んでいた。かつて強力なジェダイだったヴォルフ・カーコは、アンザーティの聖職者に敗れ、危険な野獣と化したのだった。血に飢えたカーコはその渇望をジェダイへの敵意へと変えたが、戦いに敗れ、血流停止状態にさせられる。だが、その精神は活動を続けており、彼の眠る地を神聖な寺院へと変えた他のアンザーティたちによって、その存在は地下伝説となったのだった。やがて彼らは自分たちをカーコの魂の子であると宣言し、服従の念と共に彼を「夢見る者」として崇拝するようになる。カーコは完全に動けない状態だったが、アンザーティのエキスを吸収することで徐々に野蛮で野性的な原始人へと退化していったのである。
カーコは若きアイラ・セキュラに誘惑の手を差し伸べる。記憶を失ったパダワンはかつてのマスターを探すためキフェックスへと旅立っていたが、クインランと再開する前にカーコの墓を発見してしまったのだ。凍りついたダーク・ジェダイは彼女を自分の墓へと誘惑し、血流停止状態を解除させた。アイラはカーコの力に屈し、彼の手先と化したのだった。カーコは「夢見る者の子」を名乗る野蛮なアンザーティたちに近隣の囚人植民地を襲撃させ、さらなるジェダイが手の届く範囲にやってくるのを待っていた。彼はさらに多くの生命エキスを吸収し、より大きな力を手に入れようと考えていたのである。
キフェックスに到着したクインランはこのような惨事が起こっていることに全く気づいていなかった。しかし、クインランを監視し、彼の行動と回復を判断するために同行していたマスター・ソルムは、この惑星が邪悪な影に覆われていることを直感する。このときソルムはクインランに、彼の両親を殺害したアンザーティたちがカーコの魂によって操られていたことを告白した。ソルムはアンザーティに深い恐れを抱いており、これはクインランにとっても重い試練となるのだった。彼は両親を殺害した亡霊と対決し、恐怖と闇を克服することを強いられる。だが、クインランのジェダイとしての決意は試練に打ち勝った。彼はついにカーコを破り、この邪悪なダーク・ジェダイの手からかつてのパダワン、アイラを救い出したのである。やがて彼女は記憶を取り戻し、2人は良き師弟として再会を果たした。マスター・ソルムはアイラを再び訓練することに同意するが、クインランは1人で過ごす時間と、生けるフォースの命じるままに従う時間を必要としていた。彼はマスター・ザオからフォースの道を教授され、ジェダイとしての真の役割を探求すべく単身で放浪の旅へと向かうのだった。
クインランはかつて学んだジェダイの教義をほぼ回復させていたが、ダークサイドはなおも彼に接触し続けていた。彼は銀河系の端々を目的もなく放浪し、気づくと再びヴィルマー・グラークを連れ添っていた。ヴィリーの忠誠心は信用するに値しないが、それでも彼は幾度となくクインランの役に立ち、頼りがいのある仲間であることを証明する。そして旅を続けてから1年後、クインランは数多くの敵を作っていた。アイラが再び彼を捜索していたとき、クインランはオード・マンテルで貪欲な賞金稼ぎたちに囲まれてしまう。彼らの師、マスター・ソルムも凶暴なモアグカイの戦士たちに捕らえられ、荒涼とした惑星キンタンに監禁されていた。アイラとクインランはキンタンへと向かい、モアグカイと戦ってこの狂気の戦士たちを打ち破る。クインランはこの事件の黒幕、トゥイレックの悪党カーリス・フェンから師を救出することに成功した。アイラもこの戦いで突出した技と決意を示し、ついに両者は正式なジェダイ・マスターとジェダイ・ナイトに昇格したのだった。
クインランはその後も放浪の旅を続けたが、ドゥークー伯爵による分離主義運動がその勢いを増すなか、ついに新たなる目的を手にすることになる。彼はマスター・ソルムの助けを得て、分離主義運動の内部に潜入するスパイ網を構築した。しかし、彼のスパイ網はジオノーシスの罠について何も有益な情報をもたらすことができず、結果的にクローン大戦の初戦で多数のジェダイを見殺しにしてしまったのである。他のジェダイたちがクローン大戦で将軍に任命されたときも、クインランは先の失敗を恥じて裏方に留まり、情報収集に専念していた。そして彼はコート・ヴォスという偽名で暗躍するようになり、ホイール宇宙ステーションで独立星系連合軍がカミーノを攻撃するという確かな情報を発見したのである。この情報によってジェダイは十分な時間を稼ぐことができ、クローン製造工場のあるカミーノの防衛に成功したのだった。
しかし、数ヶ月のスパイ活動を経た後、クインランはジェダイ聖堂との接触に失敗する。そしてジェダイ・マスター、エージェン・コーラーが、クインランによる共和国への裏切りを示す不穏な証拠を手にし、彼を連れ戻すために派遣された。その証拠によると、クインランは連合軍側にホロコムの偽造コードを提供する代わりに、正しい情報を売りつけていたというのだ。コーラーはナー・シャダーでクインランと対面するが、彼はコルサントに戻ることを拒否するのだった。コーラーは繰り返しクインランの共和国への不信感を引用し、彼が敵側に寝返ったことを強調する。だが、コーラーは共和国とハット・スペースとの外交交渉が緊張状態を迎えたことによってクインランの追跡を断念せざるを得なくなった。その一方で、クインランは暗闇のさらに奥深く、連合軍の領域の深層へと逃走していったのである。
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