四元素説における『火・水・土・空気(風)』の4つの元素のことを指す。
四元素説とは、物質のアルケー(arkhē:万物の根源)は
『火・水・土・空気(風)』の
四つのリゾーマタ(rizomata:根)からなるという説。
それらを結合するピリア(philia:愛着)と、
分離させるネイコス(neikos:憎)があり、
それにより四つのリゾーマタは、集合離散をくり返す。
この四つのリゾーマタは、新たに生まれることはなく、
また消滅することもない。
このように宇宙は愛の支配と
争いの支配とが継起交替する動的反復の場である。
という考え方のこと。
ギリシャ七賢人の一人タレスは
万物の根源にアルケーという呼名を与え水であるとした。
その他に、空気であると考える者、火であると考える者、
土であると考える者がおり、
それぞれがアルケーであるという立場を採った。
エンペドクレスはアルケーが、『火・水・土・空気(風)』の
四つのリゾーマタからなるとする、後世にいう四元素説を唱えた。
プラトンはこれに階層的な概念を導入し、土が正六面体でもっとも重く、
他のリゾーマタは三角形からなる正多面体で、
火が最も軽いリゾーマタであり、
これら四大元素はそれぞれの重さに応じて運動し、
互いに入り混じると考えた。
後にアリストテレスがこの説を継承し、
アラビア科学、パラケルススと伝えられた。
四大元素は抽象概念あるいは総称であり現代の元素とは対応しない。
強いて例えるならば、
空気は気体、水は液体、土は固体と対応づけられるが、
これらは物質の状態変化で三態と呼ばれる。
火は現代では化学変化〈酸化反応〉であると判明している。
普通にみられる低温の赤橙色の炎はそうではないが、
高温の青白い炎や放電はプラズマ状態の物質であることから、
古代の四大元素は現代風に解釈すると
4つの物質の状態を表現しているともいえる。
現代ではゲームやファンタジーの世界観に用いられることも多く、
四大元素をまとめて『地水火風(ちすいかふう)』
または『風火水土(ふうかすいど)』と呼ぶ場合もある。