ユキヲは朝起きると、先ず頭を念入りにセットする。鏡を見て、くしを丹念に頭に通していく。セットする時に使ったグリースは指の先から手の甲まで丁寧に石けんで洗う。とても綺麗好であり、そして何より潔癖症である。彼は何に対しても完璧主義者で、それでいていつも何かに脅えている。信じることの全てに臆病なのかもしれない。
ミー子はとても明るくて元気である。とても頭が弱く難しいことが苦手だが、時に独創的な発言をする。夢や希望を常に高く持ち合わせている。ユキヲにいつも怒られてばかりだが、心からユキヲに対して優しく、ユキヲを支えることの出来る唯一の女のこなのかもしれない。
ユキヲとミー子の物語は何所にもありそうで、そして何所にも見ることの出来ない物語である。心からブエノスアイレスを思い、ロカビリーを好み、生きることに真剣なのだ。
監督:あべ さおり
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