『人間行動に潜むジレンマ -自分勝手はやめられない?』のお勉強コミュです。質問、感想、意見、アイデアなどあればどうぞお気軽にお寄せ下さい。
人間行動に潜むジレンマ―自分勝手はやめられない?
大浦 宏邦【著】
226p 19cm(B6)
(京都)化学同人 (2007-11-20出版)
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序章 自分勝手とはなにか
第1章 二種類の自分勝手の発見―囚人のジレンマとゲーム理論
第2章 上品、短気、寛容―進化ゲーム理論と協力の進化
第3章 協力するのはお得?―多人数協力の進化
第4章 闘争は回避できるか―社会秩序の始まり
第5章 共感と攻撃性のコントロール―ヒト社会への道
第6章 みんなに合わせる―現代社会と自分勝手
終章 自分勝手はやめられるか
協力か、裏切りか。多くの人が協力しようとするときに発生する社会的ジレンマ。その背後には、利己と利他のあいだで揺れる人間行動の機微が存在する。社会的ジレンマの回避は可能なのか。本書では、人間をはじめ動物の行動の進化や、学習による行動の変化を扱う進化ゲーム理論を案内役に自分勝手な行動抑制への道筋を模索する。世の中を見る目がきっと変わる!
【主要目次】
序章 自分勝手とはなにか(世の中、自分勝手が多すぎる/本当に多すぎる?/自分勝手の過大評価/自分勝手への関心/自分勝手とはなにか/行動の四類型)
第1章 二種類の自分勝手の発見――囚人のジレンマとゲーム理論
一 どの戦略が最善か?(囚人のジレンマ/ゲーム理論/ゲームの三要素/ナッシュ均衡/強いナッシュ均衡/囚人のジレンマとパレート効率)
二 二つの自分勝手(自分勝手と囚人のジレンマ/「ゆき過ぎた個人主義」/良い自分勝手、悪い自分勝手)
第2章 上品、短気、寛容――進化ゲーム理論と協力の進化
一 自分勝手と非協力(協力とはなにか/ジレンマの発生/協力の難しさ)
二 確かに存在する協力(実験してみると……/協力の心理/利他性のバランスシート)
三 進化ゲーム理論と囚人のジレンマ(進化ゲーム理論の登場/先史時代の囚人のジレンマ/囚人のジレンマのダイナミクス/ダイナミクスの行方/血縁者ひいき/知人ひいき)
四 しっぺ返しの効果(アクセルロッドのシミュレーション/第二回選手権大会/「上品さ」と「短気さ」と「寛容さ」)
第3章 協力するのはお得?――多人数協力の進化
一 社会的ジレンマの発生(共有地の悲劇/社会的ジレンマ/自分勝手と社会的ジレンマ/ふたたび良い自分勝手と悪い自分勝手/社会的ジレンマは至るところに/社会的ジレンマと応報戦略/ジレンマの回避メカニズム/最小集団条件実験)
二 協力は非協力より得か?(協力の持続可能性/仲間意識は得か?/分け方が違うと?/集団選択の効果/新しい集団選択の理論――選択的相互作用/選択的相互作用の実験)
三 二次ジレンマを回避する(サンクションの進化/協力のコストとサンクションのコスト/サンクションコスト対弱い集団選択/どこで安定するか/サンクションの意味)
第4章 闘争は回避できるか――社会秩序の始まり
一 生体のジレンマ(遺伝子の協力/サンクション遺伝子/細胞の協力/受精卵と免疫/二次ジレンマとその行方/二次ジレンマの回避メカニズム/花粉症という過剰反応)
二 攻撃性の発生(動物という戦略/タカハトゲーム/攻撃性の進化/タカ戦略とハト戦略の共存/攻撃性の抑制)
三 動物界における秩序(なわばりの形成/群れの形成と順位制/強さに違いのあるタカハトゲーム/タテの秩序)
第5章 共感と攻撃性のコントロール――ヒト社会への道
一 共感はいかに進化したか(他者への共感/共感のメカニズム/共感の始まり/共感の搾取/血縁者への共感/知人への共感)
二 裏切り者探知モジュール(多人数協力の始まり/新人の登場/言語の役割/規範の始まり/共同攻撃と共同防衛)
第6章 みんなに合わせる――現代社会と自分勝手
一 仲間意識と協力(規範の性質/評判の役割/仲間意識の形成/仲間意識の演出/仲間意識の功罪)
二 自分勝手への過剰反応(権威主義的パーソナリティ/服従行動の進化/攻撃性の進化/制裁型の攻撃/権威主義的攻撃の成立/自分勝手なサンクション――権威主義の問題点/自集団勝手)
三 自集団勝手の回避は可能か(行動の八類型/不正告発と利敵行為/自集団勝手と社会的厚生/自集団勝手と集団内の規範)
四 他人指向の若者たち(若者の自分勝手/他人指向の増加/「空気読め」/自集団勝手今昔)
終章 自分勝手はやめられるか(自分勝手の抑制/自集団勝手の発生/副作用を減らせるか/自集団の拡大)
困ったときには