■桜美林学園ステートメント
新たなる時代を歩むにあたって
桜美林学園は「キリスト教精神に基づく国際人の育成」を建学の理念とし、単に知識を学ばせるだけではなく、在学中に幅広い教養や判断力を身につけさせ、どのような場面においても他者を理解し、協調性をもって物事に取り組める人材を育成することを教育の理想としている。その教育の理想を実現する為に、リベラルアーツ教育、国際教育を掲げて、未来に向けての教育活動を展開している。
教育とは、それぞれの人格を尊重し、その個性を伸ばしながら、より優れた人間へと創造する活動である。学園の創立者、清水安三は、「学而事人」また「爲ん方つくれども希望(のぞみ)を失はず」の精神を説いた。桜美林学園のミッションは、まさしくこの「学びて人に仕える」の精神をより完成されたものへと作り上げることであり、他者の痛みを理解できる人材、国際舞台で活躍できる優れた人材を世に送り出すことにある。学園のモットーである「艱難を経て栄光に至る(per patientiam ad gloriam)」の精神を実践し、希望を持ち続けることのできる人材、自らの未来や新しい時代を担う人材の育成こそが桜美林学園の教育の目標なのである。
この度、新たなる時代を歩むにあたって、改めて建学の精神を具体的に問い直し、桜美林学園として、今、何をしなければならないかをミッション、ビジョン、バリューとしてまとめた。
■桜美林学園のミッション(使命)
桜美林学園の使命は、キリスト教主義に基づく人間教育を通して、神、人及び社会のために貢献する人間を育成することである。それは、どのような環境の中にあっても、常に未来に希望を持ち、他者の痛みを理解できる人間でなければならない。また、現代社会の多様な価値観に対応でき且つ創造力と判断力に富んだ人間を育てることである。
20世紀は、輝かしい自然科学の進歩とそれによって引き起こされた悲惨な戦争の時代であった。人類はその反省に立って、21世紀には、よりよい時代、平和な時代の到来を信じたのであった。しかし、国と国との対立、民族間の争い、そして宗教や文化の違いによる分断は、今なお、我々の眼前に深く横たわっている。国際関係の複雑化だけでなく、これまでの社会形態が破綻したり、情報社会が急速に形成され様々な情報が氾濫する中で、人々は何を大切にして日々を暮らしていけば良いのか、迷いと不安の中にいる。今こそ、他者の痛みを理解し、国際舞台で活躍する人間を世に送り出すことが大切なのである。
■桜美林学園のビジョン(目標)
桜美林学園のビジョンは、希望を持ち続け、人々を導くリーダーを育てる学園として、誰もが認める存在になることである。その為に、今後5年間で以下の2点の実現を目指す。
(1) 学園の設置校それぞれ における教育カリキュラムの見直し:質の高い教育機関として、誰からも認知される存在になる。
(2) 経営基盤の安定:コスト構造を見直し、財政基盤の安定を図るとともに、本学園に勤めをなす者が高いモチベーションを持って業務に取り組み、素早い意思決定と実行が出来る仕組みを作る。
学園の教育カリキュラムを、幼、中、高、大それぞれの設置校で見直すとともに、学園全体を一貫したものとして連携させ、共通の努力目標を掲げる必要がある。その努力目標は、桜美林を広く世間に知らしめる標語としても活用することが出来る。
それは、目先の話題性や表面的な体裁を繕うのではなく、建学以来理想としてきたリベラルアーツ教育の充実の中から出てくるものである。
学園の経営基盤をより強固なものにするために、各設置校ともそれぞれの年齢の少子化の流れの中にあっても、常に一定の学生、生徒、園児の数を確保しなければならない。特に、大学は8,000人以上の学生数を確保することを目指す。
■桜美林学園のバリュー(共通の価値観)
桜美林学園に勤めをなす者として、以下のことが重要であり、誰もがそのことを心に留めて教育の場に携わることが大切である。
(1) 常に神に感謝を捧げ明日を祈る。
(2) 何よりも学生・生徒・園児の為に奉仕をする精神を忘れない。
(3) 困難なことがあっても希望を失わず、目標に掲げたことを実現に導く強さを持つ。
(4) 協調性を持って業務に取り組み、思いをひとつにして、互いに励まし合う。
桜美林学園に勤めをなす者として、先ず、神に感謝し常に祈る姿勢が大切である。また、私たちの使命が何であるのか、誰の為に働きをなすのかを常に考えておかなくてはならない。私たち一人ひとりの知恵と力は限られているが、欠けたところを互いに補いながら、自身のなすべきことに責任を持ちつつ、ひとつの目標に向かって共に歩みをなす者とならなければならない。