ナーガールジュナ (naagaarjuna)、漢訳名龍樹。密教系の仏教では龍猛とも呼ばれている。
AD150‐250頃のインド、サータヴァーハナ朝 アーンドラ王国出身と伝えられる。日本に於いては八宗の祖と定められている。
真言八祖の一人であり、真宗七祖の第一祖。
名前はサンスクリットで、ナーガは蛇(蛇神転じて竜)、アルジュナはインド神話のマハーバーラタに登場する武将から(転じて英雄の意味もある)。日本では漢訳名の龍樹で知られる。また、龍樹は華厳教史の印度二祖にも位置づけられている。
龍樹は、存在という現象も含めて、あらゆる現象はそれぞれの因果関係の上に成り立っていることを論証している。この因果関係を釈尊は「縁起」として説いた。
さらに、因果関係によって現象が現れているのであるから、それ自身で存在するという「ユニークな実体」(=自性)はないことを明かしている。これによって、縁起によってすべての存在は無自性であり、それによって「空」であると論証しているのである。龍樹の「空」はこれから「無自性空」とも呼ばれる。
しかし、空である現象を人間がどう認識し理解して考えるかについては、直接的に知覚するということだけではなく、人間独自の概念化や言語を使用することが考えられる。龍樹は、人間が空である外界を認識する際に使う「言葉」に関しても、仮に施設したものであるとする。
この説を、空である法の世界と、言語によって誤って概念的に認識した世界を、それぞれ真諦と俗諦という二つの真理があるとする。言葉では表現できない釈迦のさとりは真諦であり、言葉で表現された釈迦の言葉を集めた経典などは俗諦であるとする、二諦説と呼ばれる。
さらに、龍樹は「無自性空」から「中」もしくは「中道」もほぼ同義語として扱い、釈迦の中道への回帰を説いている。
この「空」の理論の大成は龍樹の『中論』などの著作によって果たされた。
(以上、初代管理人さん作成)
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