"ALL THE THINGS(YOUE MAN WONT DO)/JOEで男泣き"とは?
(以下、ALL THAT I AM/JOE 日本盤ライナーノーツ著.松尾 潔さん から抜粋)
〜93年。JOEは念願かない初めてのアルバム
『エヴリシング』をマーキュリーからリリースする。
R&Bトップ10ヒット<Im’in Luv>を含む
3曲のシングル・ヒットを放ち、
アメリカ、イギリス、そして日本の好事家の
注目を集めた好アルバムだ。
ところがこのアルバムのセールスはアメリカ本国でも
2万7千枚という惨憺(さんたん)たる結果に終わってしまう。
マーキュリーからのアルバムは結局
これが最初で最後だった。
その後レコーディング・アーティストとしての契約を
失ったとはいえ、裏方としての仕事に事欠くことは
なかった。
そもそもアルバム・デビューに先んじて91年に
ゾンバ音楽出版とソングライター契約を結んでいた男である。
思うに、そのまま再び表舞台に浮上しなくとも生計は
立てられのではないのか。
実際にR&Bシーンにはチャッキー・ブッカーや
キッパー・ジョーンズといった
「かつてはレコーディング・アーティストとして作品を
リリースしたが今では裏方仕事に専念して成功を
収めた」人物が数多く存在しているのだし。
この時期JOEはSWVのヒット<Anything>の
リミックスに関与してもいるが、そこでのヴォーカル・
アレンジは彼が「裏方で食っていける」ことを十分に
証明していた(なおこれが縁となってSWVとはその後
<Use Your Heart>で再び仕事をしている)。
だがJOEは真性のフロント・ヴォーカリストだった。
自分が歌うことを前提とした曲を
書き続けることを怠ってはいなかった。
その執念が遂に実を結ぶのが95年に静かに世に出た
<All The Things>なる美麗なバラッドだ。
映画『ポップ・ガン(Don't Be A Menace)』
のサントラにひっそりと収められていたこの曲は
ゆっくりと、しかし確実に全米のブラック・ラジオ
(R&B、ラップ等の黒人音楽専門ラジオ局)のDJたちの
支持を集めロングセラーを記録。
ついには96年の1年間を通して全米で最多エアプレイを
獲得したR&Bナンバーとしてビルボード誌に認定される。
JOE本人の弁。「<ALL THE THINGS>はどこの
レコード会社とも契約が無くて裏方の仕事を続けている
時に出会った、あるひとりの女性から
インスピレーションを得て書き上げたんだ。
彼女が置かれている立場や、その時の彼女の心情を
自分なりに考えていたらあっと言う間に曲ができあがって。
自分でも驚いたんだけど、あの曲はアイデアがひらめいた
その日、1日で録り終わったんだよ」
ひらめきが曲を生み出すのは一瞬の出来事だが、
そして世に出た曲が人の心を癒し潤すのは単にひとたびならず。
かくなるひらめきの主を天才という。〜
この、エピソード知り、ライナー読みながら
男泣き(涙した女性でも)した人。
今コレを読んで、このエピソード知り、
<All The Things>聴いて涙した人。
PV. All The Things/JOE
http://
ドウゾ、お入りください☆