犬、猫に発症するアレルギー疾患の情報コミュニティー
学術的な小難しい情報を、飼い主さんレベルで分かるよう噛み砕いた表現でお伝えします。
このコミュニティーの趣旨を共有するために、まず犬のIgE検査について考えてみましょう。
アレルギーの診断を下す際にみんなが使用するIgE検査。
アレルゲンの同定ないしアレルギー診断にとても有用であり、その結果に合わせて食事をかえたり、空気清浄機を導入したりと、具体的な治療法が決まるので重宝されています。
しかし、利用する犬のIgE検査提供会社によって陽性の基準が大いに異なるということに気がつきました。
たとえば、A社のIgE検査結果が陽性でも、B社に送った場合には陰性という判断が下される、という現象が起こっていると思われました。
この場合、陰性を信じるのか、陽性を信じてアレルゲン除去を考慮するのか、一般の方々には判断できないと思います。
それを判断するには、まず各社独自の判定基準を理解しなければなりません。
今、皮膚が赤くなっている犬3頭(太郎、花子、イト吉)がいて、IgE検査を行ったとしましょう。
さて、もともとダニに対するIgE抗体が、
太郎:2個
花子:15個
イト吉:10000個
だったとして、A社とB社のIgE検査に出してみましょう。
■A社ではこのような判定を行いました。
IgE 100個以下 陰性
IgE 100〜999個 +
IgE 1000〜4999個 ++
IgE 5000個以上 +++
ゆえに太郎と花子は陰性、イト吉は+++の強陽性っ!!
■B社ではこのような判定を行いました。
まず、B社で調べた健常な犬のIgE値の平均が3個でした。
そして判定は、調べたIgE値が健常な犬の平均(3個)のIgEの
1.5倍未満 陰性
1.5〜2倍未満 +
2〜4倍未満 ++
4倍以上 +++
よって太郎は陰性、花子とイト吉は強陽性!!
あらあら、花子は一方で陰性なのに、もう一方では強陽性になってしまっています。
というふうに検査基準によって陽性か陰性かは変わるのです。 ここのIgE検査は陽性が出やすい、ここはほとんど出てこない。そういう声を聞きますが、上記のようなことが原因と思われます。
花子はアレルギーなのでしょうか、それとも別の原因で皮膚が赤いのでしょうか?とりあえず家の掃除を頻繁にして、畳をフローリングにして、、、空気清浄機を買って、、、
さて、皆様はそもそも花子のIgEが15個、というのがアレルギーの証拠だと思われますか?、それとも健康な犬のなかの誤差範囲と思われますか?
そもそもIgEがどのくらいあると、どのくらいアレルギーと言っていいのでしょうか?
また、本末転倒ですが、IgEが陰性ならアレルギーではないと言えるのでしょうか?
この問題は今、全世界の犬のアレルギー診療を巻き込んだ、意外と手間のかかる問題です。答えるためには正しい方法での研究が必要です。そしてなにより絶対的な良心が不可欠です。
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