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蓑田胸喜と『原理日本』

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詳細 2018年7月6日 10:13更新

日本の國体派右翼を論じる場合、國体原理主義の権化のごとき蓑田胸喜と彼の主宰した『原理日本』は、絶対にはずせないだろう。
ところがどうしたものか、mixiには蓑田胸喜のコミュニティが無い。ということはmixiに生息する自称他称を問わず國体派や國体原理派は、すべて偽者か、自称にすぎないネツト國体派か、あるいは基本的知識に無知なのか、いずれにしても憂うべきことである。

森正蔵『旋風二十年』(上)における蓑田胸喜についての記述を紹介しておこう。むろんこれは戦後に書かれたものであり、蓑田に対しては批判的なものだが、反対者から見た蓑田の横顔が語られている。

 『蓑田胸喜!』あゝこの名は軍の抬頭以来学界の泰斗たちの間で如何に恐れ戦かれたことだらう。彼は蛇蝎の如く嫌はれた。何故なら、この慶大教授はひどい神憑りの右翼の御用学者で大変な精神家。塾内には『精神科学研究所』なるものを設けて、時代の激流に迷へる羊たちを手先に使って、軍部のファッショ派から莫大な機密費をせしめて、雑誌『原理日本』を発行し、この雑誌で学界の気に喰はぬ有名な自由主義者の著書やプリントの一章・一句を補へて、やれ『赤化教授だッ』やれ『不敬罪を構成する「学匪」だッ』と勝手なレッテルを貼りつけ、右翼のごろつきどもを嗾かして軍へ売りつけ、学界の泰斗を次から次へと屠り去った元凶であるからだ。
 彼は上杉慎吉博士の流れを汲む全日本興国同志会の同人で、後、慶大から国士館教授となったが、学問的蘊蓄は少しもなく、学説を叩くのも、学的論争はそっちのけで、激越な口調で不敬呼ばりをし、凡ゆる悪罵を以て執拗極まるデマ宣伝、人身攻撃をつゞけて、右翼の仲間に策動せしめ、最後には告訴沙汰にまで及ぶといふ悪辣極まる手段に出で、学者にあるまじき学界の敵であった。
 彼の最初の槍玉に挙げられ、反動派の犠牲に供せられた学者は彼の有名な京大事件の発端となった瀧川教授であり、後には三卅年来唱導せられて来たわが憲法学界の権威、美濃部博士を社会的に葬つたものも、彼蓑田胸喜が火つけ人である。京大事件が右翼革新派が策謀した『自由主義排撃』への最初の進軍であれば、機関説爆撃に端を発した国体明徴運動は自由主義を帰滅した反動派の高らかな凱歌であった。日本を敗戦の深淵に導き、反動、暗黒時代を現出した歴史的意義は極めて大きいのであるが、彼、蓑田胸喜こそ、かゝる事件の張本人であったのだ。
 戦時中、自由主義者といへば、すぐ『赤だッ』と烙印し、日本人でない逆賊扱ひした彼、美濃部博士を『学匪』と罵った彼、終戦後、戦争責任の明確化が叫ばれてゐる現在、彼自身にこそ『学匪』の名は返上さるべきであらう。

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カテゴリ
学問、研究
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