戦後の日本は、欧米諸国に追いつき追い越すことを目標として、政治・経済の中央集権システムにより経済大国へと猛烈なスピードで突き進んできた。しかし、21世紀を迎えた今、このような戦後50年の価値観を見直す必要がある。
日本社会の将来の姿としては、2つの社会(社会システム)が共存する社会の構築が望ましい。一つは「スピード社会」であり、もう一つは「スロー社会」である。前者は、時計に刻まれる世界共通の時間軸の下、効率、利便性を重視し、新しいものを追求する社会である。後者は、自然のリズムなど多様な時間軸を認め、万事手間隙をかけて物事を深く追求し、“保存・再生”に重点を置く社会と考えられる。これら2つの社会がお互いを認め合い、尊重し合い、競い合いながら共存する社会を目指すのである。また、どちらの社会も“善”であるという認識を持つことが重要である。
このうち、まちづくりにおいて「スロー社会」を自らの新たな社会システムとして目指していこうとする市町村および「スピード社会」と「スロー社会」とが共存する社会システムを目指していこうとする市町村を『スロータウン』と呼ぶ。『スロータウン』においては、原点である地域資源・天然資源を見つめ直し、手間隙を惜しまず、“保存・再生は革命”という強い意志をもって、国民一人一人の真に“より良い人生”の実現へとつながるまちづくりに取り組んでいく。
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