勾玉・垂玉・大珠

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詳細 2024年2月23日 09:51更新: 勾玉・垂玉・大珠

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大珠（たいしゅ）は縄紋時代特有の「超自然の象徴」である。
縄文時代とは、今から約12,000年前から約2,500年前の間、約10,000年間であり、「時代」と名のつく歴史の中で、これほど長い時間を一つの「時代」として定義しているのは世界でも極めて珍しい。
大珠は、大変単純で野趣にあふれた形状をしたものが見られるが、一般的には鰹節型をした、比較的大型の翡翠で作られている。穴に紐を通し、それを左右に振って神託を得たり、超自然の力を得ようと試みたと想像される。
通常、一つの古墳から出土する大珠はただ一つのみである。極めて稀な存在で、現在では国の重要文化財に指定されたものも少なくない。
当時の強力な権力者のみが所有出来た祭器である。
様々な石で作られてはいるが、最も貴重なものは翡翠で作られた大珠であり、その他の石は代用品に過ぎない。
翡翠大珠の発掘された遺跡を繋ぐと、貴重な翡翠を求める権力者達を糸魚川周辺にいざなったであろう古代の道が見えてくる。

勾玉（まがたま＝曲玉）は日本特有の装飾品で、中国からは発見されない。
朝鮮半島の一部の地域からは出土しているが、これらは全て日本から輸出されたものだと考えられる。
その独特の形は、動物の牙の形であるとか、胎児の形であるとか、様々な憶測が飛び交っているが、決定的な事は記述等が全く残されておらず何も分かっていない。
勾玉が歴史に登場したのは縄文時代の早期で、初期のものは突起を持つもの、複雑な形のもの、たくさん穴の開いたものなど、バラエティに富んでいる。
弥生時代に入ると C字型をした一般的形状に統一され、その後古墳時代まで大きな変化はない。
古墳時代後期になると、二つが繋がったもの、子持ちのものなど、再び複雑な形の物が現われるが、奈良、平安と仏教が広く流布されるにつれ、勾玉そのものの存在が歴史から忘れ去られていった。それから第二次大戦敗戦までの間、日本人は宝石とほぼ無縁の文化を生きる事になる。
材質は、現在知られているだけでも翡翠、碧玉、碼碯、水晶、硝子、蛋白石、ろう石など、ありとあらゆる石で造られている。
その中でも最も珍重されたのは貴重な翡翠であり、権威の象徴であった。
翡翠は糸魚川を中心とした限られた地域からしか産出されないが、国が大きくなるにつれ、翡翠の道を伝って全国各地に広がったと考えられている。

現在、個人で所有される出土勾玉のほとんどは戦前に発掘されたものである。
新たに掘り出された古代勾玉は、全て公的機関に所有権があり、それを私的に入手する事は難しい。例え個人所有の土地から発掘されたとしても、出土品は全て教育委員会を通じ、国民の財産として博物館に眠る事になる。
どうしても出土品を手にしたいなら、関西圏の骨董屋を地道に回って戦前に発掘されたものを購入するか、天に祈りつつ待ち続けるしかない。
ましてや、圧倒的に数の少ない出土品大珠などは、国立博物館の硝子の向こうにひっそりと見るばかりである。
だが、もしあなたが幸運な人であれば、自然な流れで古代勾玉、いや、ひょっとしたら古代大珠を手にする事が出来るかもしれない。

巷に出回っている尻尾の尖った勾玉のデザインの多くは、最近になってからの意匠である。
古い勾玉には尖った尻尾の意匠は少なく、頭から尻尾までの太さが大体同じ位のものが一般的である。
古代の尖った勾玉は、九州地方の出土品によく見られる特徴である。

八咫鏡・天叢雲剣と共に三種の神器の一つである八尺瓊勾玉（やさかにのまがたま）は「瓊（に）」＝丹（青丹よし、の丹。朱色）の字が「赤」を表しているため、緑色の翡翠の勾玉ではなく赤い勾玉であるとされる。
つまり、八尺瓊勾玉は瑪瑙か琥珀で作成されたものであろう。

　　お勧めサイト

　　まがたま研究会
　　http://magatamaken.blog7.fc2.com/
　　
　　縄文心象
　　http://www.joumon.jp/index.htm

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