アルゼンチン最南端に住む一人の少年。離婚し母の元を去った父親を捜しに、彼は一人自転車に乗り南米縦断の冒険へと旅立った。南米の壮大な大自然と現代ラテンアメリカの腐敗した政治を背景に、少年は愛すべき人々と出会いながら父親を探しつづける。マジック・リアリズムを表現としながら、その美しい映像と現代の政治腐敗を痛烈に皮肉るブラックユーモアが交錯する。しかし、そのある種混沌とした映像詩から、少年の目を通して現代ラテンアメリカを厳しくそして暖かく見つめるソラナス監督の心を感じることができる。
1992年 フランス/アルゼンチン
原題:el viaje
監督:フェルナンド・E.ソラナス