徐美姫の撮ったモノクロの海は、わたしのなかにある海である。それは少しも穏やかなものでなく、暴力的で正視できない。それでも見ずにはいられなくて、見ているうちに泣いてしまった。生きる者ならきっと知っている。どうしたって手懐けられない、貪欲に沸き続ける泡のような哀しみ。
小池昌代(詩人)
堕ちていく 写真という絶対表面、その底なしの淵へ
竹内万里子(写真評論家)
写真の向こうから、音が聞こえてくる。ときに激しく、ときにせつなく、ときにひそやかに、生命力をみなぎらせて。それはまるで私たちの息づかいのようだ。これらの写真はどうしようもなく私を不安にし、同時に安堵させもする。
きっと、ひとりであることを思い出させ、だからこそだれかを求める気持ちを思い出させるからだろう。
角田光代(作家)
この写真集を見て、感じて想う何かが、ひとを少女にさせる。
本を閉じ灯りを消して、布団の中で夢想するのは、切なかったり悲しかったりしない、あたたかなセックスだ。
そんな美しいことが起こるかもしれない写真集だと、ぼくは思った。
豊田道倫(音楽家)
深閑とした中に、音の気配がある。寄せる波ではなく、引く波の音だ。砂粒が、小石が、水泡に揉まれ、声をあげて引きずられていく。私は波の行方に目を凝らす。その遥か先にある多くの生命を意識する。彼らの歩んだ長大な道程に打ちのめされる。わかっていることなんかごくわずかだ、と口中で呟く。
木内昇
―――徐美姫写真集『 sex 』によせて
徐美姫写真集 『 sex 』
303×402、上製、48頁 定価4200円(税込)
著者 徐美姫
アートディレクション&デザイン 中島英樹(中島デザイン)
デザインアシスタント 田中幸洋
発行人 姫野希美
発行元 赤々舎
オフィシャルホームページ
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困ったときには