シグリズール・ニールスドッティル
ごく普通の主婦だった彼女は、若い頃から誌や音楽を書きためていた。ある年のクリスマス、家族や友人用にその音楽をCDRに焼いて配ったことがある。それを彼女は、いつも録音用のカセットテープを購入していた音楽ショップのオーナーにもプレゼントした。それがきっかけで、彼女の自主制作盤はレイキャヴィークのとあるCDショップに置かれるようになった。
その後少しばかりの紆余曲折を経て、彼女は今までに約40枚のアルバムを発表。暖かな歌声、ゆったりと流れるメロディ、手書きのジャケットーーー話題が話題を呼び、彼女の熱心な音源コレクターにビョークが加わり、映画『氷の国のノイ/Noi Albinoi』のサウンドトラックの中に2曲が採用された。アイスランドでは彼女のドキュメンタリー映画が撮影され、ヨーロッパ各国から取材陣が押し寄せる。
手作りのぬくもりが伝わる音楽。ノスタルジックに、時に楽しげに、時に悲しげに、音楽のプロでもないのに心に響く。なぜだろう・・・・。一枚一枚がコンセプト・アルバムであり、音楽が彼女の考えや人生を鮮やかに映し出す。家庭で録音するので音質はお世辞にも素晴らしいとは言えないし、アートワークもお手製だから、時々まっすぐに切れていなかったりする。それもこれもご愛敬だとアイスランドの人々は彼女の音楽を暖かく迎え入れる。音楽は理屈ではなく自己表現だ。彼女は自分のアルバムを通して精一杯の自己表現をする。その姿を見て励まされない者はいないし、彼女の存在そのものが、アイスランドの人々の励ましなのだ。
*写真と文章はAlljos Entertainment様より引用させていただきました*
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