一九三一年九月十八日、中国東北部で勃発した紛争に世界は震撼した。
国際連盟は実情把握のため、リットン卿を団長とする調査団を派遣する。
日本、中国、満州、朝鮮―。
一行はゆく先々で昭和天皇、張学良、溥儀ら錚々たる面々と会い、また名もなき民衆の生活をまのあたりにした。
調査団の一員のドイツ人政治家が見聞した、戦乱前夜の東アジアの姿。
リットン調査団。吉本興業所属の芸人である。コンビ結成20周年を目前に控えたベテランでありながら、永遠の若手と呼び親しまれている孤高の存在であり、もはや地上波でその姿を見ることは、ほぼ不可能だ。恐らく、この記事を読まれた方のほとんどは、彼らのことをよく知らないだろう。彼らの世間でのイメージを要約すると「マニアックな芸風で、ケンドーコバヤシやバッファロー吾郎を筆頭に同業者からは慕われ実力を評価されているが、一般 的には、年末の『オールザッツ漫才』ぐらいでしかお目に掛かれず、面白いかどうかを評価する以前の問題として認知されている」