ジェームズ・バーナード(1925-2001)
英国のハマーフィルムでの映画音楽作曲家として知られるジェームズ・バーナードのトピ。あくまで純粋な作曲家としてのバーナードを考えていくトピ。
英国での彼は「ジョーズ」のジョン・ウィリアムス、「サイコ」のバーナード・ハーマンと並んで「ドラキュラ」のジェームズ・バーナードとして並び称される存在であった。特に彼は、ホラーやSFで知られるハマープロでの仕事が名高い。中でも怪優クリストファー・リー演ずるドラキュラ・シリーズの音楽は、シリーズ全体のイメージを決定づけたといってもいい。日本で「ゴジラ」といえば伊福部昭の名が連想されるのと同様、英国で「ドラキュラ」といえば、このバーナードの名が連想されるほど。日本でも、30年程前にはよくTVでハマーのドラキュラ・シリーズが放映されていたので、あの独特の音楽を記憶されている方もいるのではないだろうか。全9作あるドラキュラ・シリーズで彼が音楽を担当したのは6作。
ハマープロは、音楽のバーナードのほか、美術のバーナード・ロビンソン、脚本のジミー・サングスター、撮影のジミー・アッシャーといった優れたスタッフに恵まれていたため、古城や田園風景など非常に映像効果の印象的な作品が多く、それら独特の映像の美しさはハマー・カラーと呼ばれている。それがハマー・ホラーが、単なるエログロなホラー映画に成り下がるのを食い止めている。
バーナードは1925年9月29日に生れる。ウェリントン・カレッジを卒業後、あるコンクールに参加したところ、そのコンクールの審査員の一人であったブリテンと出会う。ブリテンはバーナードの作品に感銘を受け激励を与えている。第二次大戦では、英国空軍に入隊、作曲活動は一時中断するが、従軍中に後にハマーで共に仕事をすることになるジョン・ホリングワースに出会う。終戦後、ブリテンのアドバイスにより国立音楽学校に入校、ハーバート・ハウェルズの教えを受ける。卒業後はブリテンの助手を務める。そして、BBCからの依頼により芝居や映画のための作曲を行うようになる。そして、1955年ハマー・プロでの初仕事「原子人間」で成功を収め、その後「フランケンシュタイン」シリーズや「ドラキュラ」シリーズなど多くの作品を手掛ける。
困ったときには