深く透きとおる音空間。U2、ピーター・ゲイブリエル、
ネヴィル・ブラザーズ、ロビー・ロバートソン、
ボブ・ディラン、ウィリー・ネルソンをはじめ
数々の名盤を生み出し続けるプロデューサー、
ギタリスト(ドブロ・ギターの達人)、
そしてなんとも味わい深い声の持ち主。
地元カナダで兄弟と小さなスタジオを経営し、
活動していたラノアは
ブライアン・イーノに共演を求められたのを機に
イーノの「アポロ」「サーズディ・アフタヌーン」
ジョン・ハッセルの「マジック・リアリズム」などで
その独特のエコー処理の腕を奮う。
84年に、イーノとともにU2の「焔」をプロデュース
したのをきっかけにロックフィールドからも
一躍注目される存在に。
86年に手がけたピーター・ゲイブリエルの
「So」が大ヒットし、プロデュース依頼が殺到するも、
マイペースな作業を貫く。
そして87年U2の「ヨシュア・トウリー」が
世界的な大ヒットとなり、
イーノとともにグラミー賞を受賞。
なお「ヨシュア・トウリー」におけるラノアの
ユニークな製作方法については、
現在映像作品(クラシックアルバム「ヨシュア・トウリー」)
で垣間見ることができる。
続いて、ボブ・ディラン「オー・マーシー」
ロビー・ロバートソン「1st」
ネヴィル・ブラザーズ「イエロー・ムーン」
などなど名作を連発するが
89年、満を持しソロアルバム「Acadie」を
発表。
(これは個人的に大変な大変な名作だと思っております)
その後も、ディランの「タイムアウト・オブ・マインド」
ジャズドラマーのブライアン・ブレイドのソロ、
エミリー・ハリスの「レッキング・ボ−ル」
ラノア自身のスタジオがタイトルとなった
ウィリー・ネルソンの「ティアトロ」
などゆったりと良作を送り出し続けている。
最近、ワールド・リリースとしては
10年ぶりのソロアルバムだった「Shine」に続く
ソロ作品であり、初のインストアルバムである
「Belladonna」を発表した。