1970年、私が「世界の民族音楽」を勉強し始め、インド音楽弦楽器シタールでプロデビューした1972年当時、 「民族音楽」への関心、理解は大変乏しいものでした。 1978年に東京吉祥寺に日本初の民族音楽LIVE-Spot「羅宇屋」を開店し、1980年頃からギリシア音楽、アイリッシュ音楽、古いイタリー民謡、スペイン・ロンダーリャ民謡などのヨーロッパ民族音楽のLIVEを始めた頃、 少しずつ増えつつあった「民族音楽ファン」の多くは「アンチ西洋文化」でヨーロッパ民族音楽への関心は大変低いものがありました。 その後1990年代後半になって、「リバーダンス」や「癒し系音楽」などでアイリッシュ音楽がもてはやされ、 ワールドミュージックの流行とともに「ケルト系音楽」や地中海〜東欧〜コーカサスのアカペラ合唱。 バルカン半島のジプシー音楽やユダヤ系のブラスバンド音楽がもてはやされました。 「民族音楽」も 数百年前の当時には「流行音楽」であったものばかりです。 そして「世は歌につれ、歌は世につれ」の部分も否定出来ません。 きっかけを得て初めて「知って」そして「好きに成る」ということもあるでしょう。 しかしながら「民族音楽」は「流行る」遥か以前からある音楽です。 そして「流行った」事によって「変形」もする音楽です。 ヨーロッパには、今、現在も古いたたずまいを残している地域がたくさんあります。 変わったものも有れば、変わらないものも。 変わるべきものも、変わるべきではなかったものも。 無くしては勿体ない文化も、変わらない部分も 音楽はそれらをストレートに示してくれます。 「一歩進んで理解して」 初めて大切に出来る、気がつくものも多いと思います。 私たちの楽団は、より多くのファン、マニア、研究者のご意見を頂きながら、 出来る事ならば「流行」に関わらず、常に様々な ヨーロッパの民族音楽を奏でながら 少しずつ、少しずつ「古き良き時代」のヨーロッパの文化を学んで行けたらと思います。
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