昔々、みやこの禁裏はんの奥に、偉い人の御付きの女房さんの中に藤式部というお方がいやはって、
そのお方、文読み、文書き、とてもじょうずにしやはった。
前々から何ぞ書き物してはって、公家の偉いさんが
「あんたはんじょうずに書かはる。もっと書きなはれ、面白おっせ!」と励まさはって、しばらくしたら大そうな物語り創らはって、奥の方で流行ったそうで、
そしたら、藤やおへん、紫にしなはれと偉いお方が名付け、それから紫式部って呼ばはるようになったんやて。
そのお話し、初めは「紫ゆかりの物語り」とか呼ばはったけど、何時の間にやら「源氏物語」って言わはるようにならはった。それから千年、時は流れ、今に至りました。千人の読み人が千の想い、万人の読み人が万人の想い、みんなの想いを語る場を立ち上げました。よろしく
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