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クルツィオ・マラパルテ

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詳細 2016年2月4日 16:31更新

Curzio Malaparte(1898〜1957)!!!


二十世紀を席捲した人類狂気(二度の世界大戦、ファシズム、共産主義)なしには、その筆力が熟絶し得なかった魔性の文豪。

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クラブマラパルテ(イタリア語で「邪悪の陣営」 *http://en.wikipedia.org/wiki/Curzio_Malaparte*http://www.noveporte.it/dandy/dandies/malaparte.htmクラブ
クラブボナパルテ(「正義の陣営」 http://it.wikipedia.org/w/index.php?title=Napoleone_Bonaparteクラブ
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"マラパルテ"の筆名はすなわち文学至上主義であり、ふてぶてしい筆力である。華々しく勃興する右翼にも左翼にも連名しては、くろうと仕立てのスーツすがたでいちはやく一匹狼をきどり、だれよりも目の覚めるルポルタージュやフィクションを世に問うては、それゆえに決闘、弾劾、発禁をまねき、幾度も牢屋にはいってしまう(59年の生涯に流刑が2回、投獄6回。処女作『呪われた聖者たちの叛逆』にはじまる発禁処罰かずしれず)。しかし強運は、けっして"悪役"をみすてなかった。 マラパルテの天賦の才は、悪運のつよさであった。

1931年、みせつけてやるといわんばかりにフランス語で出版した『クーデターの技術』(Technique de Coup de'tat)にこう書いた。「ムッソリーニのカリカチュアにすぎないヒトラーは、女だ」
ヒトラーは"女"なら、マラパルテは"をんな"だ。女よりも"をんな"は、やわらかさ、包容力、変化に対する順応力をもち、周囲はそれをそれを好ましく、いとおしく感じる。マラパルテは、ヒトラーよりも相手の心をよみ、敏感で、適切なことばを使う。雰囲気をなごませ、羞恥心をもっている。

"すべての革命は閨房から出発する"(クルツィオ・マラパルテ)

『クーデターの技術』を自愛したファシスト左派・マラパルテは、ローマへの隊列進軍もはなばなしく革命思想として登場したイタリアファシズムが、政権保持にかたよって右傾・保守化した現実に苛立った。成熟する筆舌は体制内異端者の心情と融合し、万年筆のペン先が吸いきれなかったインクが溶けた水銀を垂らすように、毒劇反応を融合させた。
ガブリエーレ・ダヌンツィオの再来と謳われたイタリア・ダンディズムの鞭をふるう、魔獣さばきのえじきこそ、"旗紋章の多頭獣"二十世紀の混沌なのだ。



クルツィオ・マラパルテの著作は、日本語によって、その最高傑作"KAPUTT"(1944)が野放しされている。(邦題『壊れたヨーロッパ』古賀弘人訳・晶文社 1990 二段組みでおよそ四百ページ)
夭折の美男俳優ジェームズ・ディーンは、ジャン・ジュネと共にマラパルテを愛読したと伝えられる。"KAPUTT"は聖ジュネが旅につぐ旅を性愛筆力で圧縮させた悪魔的な詩歌世界に匹敵する、・・・スウェーデン、ポーランド、ルーマニア、クロアチア、フィンランド、イタリアの腐臭図体を走破するジャーナリスト・マラパルテが、怪物作家プルーストからまねびとった文学の技巧によって、ことば全部の目盛り針を振りとばしてしまった強烈なけわしさ、不吉さが、読むものをめまいの底にたたきおとす。
ダイヤhttp://www.ethnoland.it/italiano/kaputt/ダイヤ
ダイヤhttp://www.caffeeuropa.it/immagini/malaparte/foto_a.htmlダイヤ

"p.164 いきなり貨車が開いた、そして囚人の群れがサルトーリ侯爵のところにどっと落ちてきた、将棋倒しに彼を押し倒した。貨車から逃げだす死者の群れ。数人がひと固まりになって、どしんどしんと鈍い音をたて、セメントの像みたいに続々と落ちてきた。死体の下敷きになったサルトーリは、冷たく途方もない彼らの重みに押しつぶされて、もがき、あがいた。命のないその重荷から、凍ったその堆積から逃れようと必死になったが、ついには崖崩れの下敷きになったみたいに、彼の姿は死体の山の下に埋もれてしまった。死人は乱暴で、頑なで、獰猛である。死人は分別がない。女子供に似て気まぐれで、虚栄心が強い。死人は狂っている。死んでいる者が生きている者を恨んだら、危ない。死者が生者に惚れたら、危ない。生者が死者を侮ったり、あるいは死者の自尊心を害したなら、あるいは死者の誇りを傷つけたなら、それは危ない。死者の嫉妬と執念は深い。彼らは誰も恐れない、なにも恐れない。殴られようが、傷つこうが、敵の数が優勢であろうが、恐れはしない。死の恐怖さえ彼らにはない。爪をたて、歯を剥いて、黙々と戦う、一歩もあとには退かない、弱音をはかない、けっして敵に後ろを見せない。冷たい頑なな勇気をもって、彼らはとことんまで戦う。蒼白な顔に笑みを、薄笑いをうかべ、ものも言わず、動顚したときの大きく見開いた目で、狂者のあの目つきで戦う。そして精根尽きはて倒れたとき、敗者の謙虚さに甘んじたとき、打ち負かされて横たわったとき、かれらは脂っこい甘い匂いを漂わせ、ゆっくり腐敗してゆく。"

"p.190「せめて、ヒトラーがワーテルローにお着きになるまで待ちなさい」ヴェストゥマンが言った。「惜しむらくは、彼はまだアウステルリッツにいる」"(KAPUTTの初版上梓の翌年、ボナパルテ・ヒトラーは"ワーテルロー"に着いてしまった。)

マラパルテの生涯と業績について、より詳しく知りたい方は『壊れたヨーロッパ』の巻末の解説をお読みください。

カプリ島にすみついたマラパルテは、ガーゼでできたスーツを愛用し、岸壁をみおろす位置に、全身を深紅に染めた、奇妙な館を建造した。
スペードhttp://www.capriweb.com/Capri/Malaparte/malindice.htmlスペード
CASA MALAPARTE(マラパルテの館)はフリッツ・ラングとブリジット・バルドー出演の映画『ゴダールの軽蔑』(LE MEPRIS)のクライマックスを、不安にもりあげている。
ダイヤhttp://us.imdb.com/title/tt0057345/ダイヤ
ダイヤhttp://www.dvdbeaver.com/film/DVDCompare2/contempt.htmダイヤ
ダイヤhttp://jp.youtube.com/watch?v=IT7P7ijpAPYダイヤ
ダイヤhttp://jp.youtube.com/watch?v=vZ-vcz9Mv1wダイヤ

マラパルテ自身も、映画を撮っている。トスカーナを舞台に、脚本・撮影・監督を単独した『禁じられたキリスト』(Il Cristo Proibito)は、ベルリン国際映画祭で特別賞を受賞した。
スペードhttp://us.imdb.com/title/tt0042354/スペード
スペードhttp://www.immaginapienza.it/cinema/artecultura/cinema/Il_Cristo_Proibito/il_cristo_proibito.htmlスペード
スペードhttp://jp.youtube.com/watch?v=LqRDFPOhslE&feature=relatedスペード
スペードhttp://jp.youtube.com/watch?v=sZGxXI632sk&feature=relatedスペード

1949年には、第二次大戦末期の連合軍が上陸したナポリを舞台に"KAPPUT"の続編にあたる、"La Pelle(肌)"を上梓する。10数カ国で翻訳され(1958年には『皮』の邦題で、ドイツ語から重訳された)、法王庁禁書目録で吊るしあげられた。
この作者は、狂っている。こんな小説は、生きている間ぜったいに読むべきではないのかもしれない。ジェズアルド公爵作曲の、狂血妖美なナポリ合唱曲が行間の溝ふかくを底奏する。・・・

"ナポリの貧民街を通ると、戸の開いたあちこちの「地階」で、花環に飾られた死者がベッドに横たわっているのによくぶつかることがある。そしてこんなふうに死んだ少女をみかけるのも珍しいことではない。しかし僕は死んだ少女が珊瑚の花環の中に横たわっているのはついぞ見たことがない。どれほどたくさんのナポリの貧しい母親たちが、死んだ子供のために、こんなりっぱな珊瑚の花環をほしがったかもしれない。珊瑚は花盛りの桃の枝ににている。これを眺めるのは愉しい。珊瑚は子供の遺骸に、晴れやかな、春めいた感じをあたえる。僕はこの煮られたあわれな少女を眺め、同情と誇りに身のふるえるのを感じた。なんと不思議な国だろう。このイタリアという国は! この世界のどの国民が、自分の国を破壊し、占領した外国の軍隊に、人魚、しかも珊瑚を飾りつけたマヨネーズかけ人魚を饗応するという贅沢をよくなしえるだろうか。ああ、アメリカの将軍の食卓に、銀の皿に長々と横たわって死んだ、海の神ともいうべき人魚の屍体のまわりに、このアメリカの将校たちやこの高慢なアメリカ婦人が、驚愕し真っ蒼になって坐っているのをみれば、これだけで、戦争に敗れた償いもついたというものだ。(p.191 岩村行雄訳)"

"La Pelle"(邦題『狂える戦場』)はリリアーナ・カヴァーニによって映画化されている。
脚本に参加したカトリーヌ・ブレイヤ(Catherine Breillat)は十七歳のころに上梓した小説「たやすい男(L'Homme Facile')」が発禁になり、映画「本当に若い娘」(1976) 「ロマンスX」(1998) などの監督作品が悪名声をもたらした。
スペードhttp://us.imdb.com/title/tt0082893/スペード
スペードhttp://www.arcigaymilano.org/cinema/schede.asp?IDFilm=1954スペード
(『禁じられたキリスト』は国内盤ソフト未売買、日本未公開。『狂える戦場』はヴィデオのみの発売で日本未公開)
ダイヤhttp://dvdtoile.com/Filmographie.php?id=17422(La Pelle,Cristo Proibito フランス盤)ダイヤ

映画作家、宮岡秀行が主催する「スタジオ・マラパルテ」は、マラパルテとかれの館に思いをたくして命名された。
ダイヤhttp://www009.upp.so-net.ne.jp/malaparte/ダイヤ

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{Bibliografia Curzio Malaparte}

『呪われた聖者たちの叛逆』LA RIVOLTA DEI SANTI MALEDETTI, 1921(エッセイ集。三度出版されその都度発禁)
『宦官たちの結婚』LE NOZZE DEGLI EUNUCHI, 1921 (エッセイ集)
『生きているヨーロッパ ナショナル・サンディカリズムの歴史理論』L'EUROPA VIVENTE, 1923
『野蛮なるイタリア』ITALIA BARBARA, 1926(第二版は検閲により削除処分)
『苦悩する一大尉の冒険』AVVENTURE DI UN CAPITANO DI SVENTURA, 1927
『大イタリア人』L'ARCITALIANO, 1928(詩集)
『レーニンの知性』INTELLIGENZA DI LENIN, 1930(イタリアでは発禁)
『クーデターの技術』TECHNIQUE DU COUP D'ÊTAT, 1931 - The Technique of Revolution(空前の世界ベストセラー。しかしイタリアでは即発禁)
『ソドムとゴモラ』SODOMA E GOMORRA, 1931(第一短篇集)
『混乱の掌握者』I CUSTODI DEL DISORDINE, 1931
『レーニンは善人』LE BONHOMME LENINE, 1932
『獄中への逃亡』FUGHE IN PRIGIONE, 1936(第二短篇集。ワイルドもジュネも刑務所が第二の母となった)
『血』SANGUE, 1937(第三短篇集)
『冥府の旅』VIAGGIO IN INFERNO, 1938
『私に似たおんな』DONNA COME ME, 1940(第四短篇集)
『ヴォルガはヨーロッパに生まれる』IL VOLGA NASCE IN EUROPA, 1943 (エッセイ集)
『壊れたヨーロッパ』KAPUTT, 1944 (長篇小説。マラパルテの生涯最高傑作)
『ドン・カマレーオ 一匹のカメレオンの物語』DON CAMALEÒ, 1946 (長篇小説。マラパルテが二十七歳頃に雑誌に発表、発禁されたものを改筆して出版。主人公ドン・カマレーオはムッソリーニの揶揄)
『太陽は盲だ』IL SOLE È CIECO, 1947 (長篇小説)
『プルースト家のほうへ』DU CÔTÉ DE CHEZ PROUST, 1948(戯曲。フランス語で書かれた。公演は失敗)
『舌戦』IL BATTIBECCO, 1949 (詩集)
『明日の物語』LA STORIA DI DOMANI, 1949 (風刺短篇集)
『肌』LA PELLE, 1949(スキャンダルをひきおこすが世界大ベストセラー。日本語で初めて紹介されたマラパルテのフィクション)
『資本論』DAS KAPITAL, 1949(戯曲。ドイツ語で書かれた。公演は失敗)
『禁じられたキリスト』Il CRISTO PROIBITO, 1951(映画。脚本兼撮影兼監督。ベルリン国際映画祭特別賞受賞)
『舌戦の二年間』DUE ANNI DI BATTIBECCO, 1953-55(エッセイ集)
『女たちも戦争に敗れた』ANCHE LE DONNE HANNO PERSO LA GUERRA, 1954 (戯曲。イタリア語で書かれた。やはり・・・)
『呪われたトスカーナ人』MALEDETTI TOSCANI, 1956(長篇小説。国内大ベストセラー)
 

※以降は死後の発刊※
『ロシアと中国にありて』IO IN RUSSIA E IN CHINA, 1958
『腐った母』MAMMA MARCIA, 1959
『天国のなかの英語』L'INGLESE IN PARADISO, 1960
『祝福されたイタリア人』BENEDETTI ITALIANI, 1961
『パリの異邦人日記』DIARIO DI UNO STRANIERO A PARIGI, 1966

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その死去から二年後(1959)、マラパルテ全集の刊行がはじまった。


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たとえその悪達者をわりひいても、ダヌンツィオに匹敵する文藝品格・・・・














マラパルテにあっては、獄中でも看守に美食を指示し、そのお洒落に、たっぷりと時間をかけたのでしょう。







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